「ユミール!聞いてるのか!?」
「は、ハイ……」

 私は今、ベッドの上で年下の男性に説教をされています

「ユミールは何時も何時も何時も何時も無茶ばっかりやって!」
「はい」

 彼の表情は真剣そのもの だってそれは私の事を大事に想ってくれてるから

「コレじゃあ俺の存在の意味が無いじゃないか!」
「はい」

 正直私は一番彼に心配かけたくないのが本音だけど、彼にとってはそれが一番の不満の種のようで

「透夜さん、ユミールも十分に反省してるんですから……」
「いえ!ここで甘やかすと、こいつの為になりませんから!」

 濡れたタオルを持った義姉パルディアの言葉も思いっきり一蹴する彼風見透夜は、本気で怒ってる
 だって、体の弱い私が無茶をやって、倒れちゃったから


 ピュアでほのぼの、そしていちゃラブシリーズ 聖霊機ライブレード 透夜×ユミール編


 事の始まりは、何時もの事ながら、無理をやって倒れてしまって、ついでだからと、体温を測ったら38度を超えていたので、透夜によって強制休養を言われたこと

「全く……結果倒れるなら、最初っから仕事をしない!」
「はい」

 私がベッドに入ってから透夜は終始怒ってばかり 何度も何度も倒れたら、それは怒りたくもなるわね……

「なぁ、ユミールよ……俺はお前のなんなんだろうなぁ……」

 深い……深い溜息の後、透夜が悲しそうな表情で呟く

「私の大切な人……一番かけがえの無い人よ……」
「だったら!少しは俺を頼りにしてくれ!こんなんじゃあ、俺がお前にとって必要の無い人間と同意義だ!」
「う……はい……」

 透夜の真剣な表情に、私は頷く以外の事が出来なくなる

「お兄ちゃん、お話終わった?」
「ああ、入っていいよ」

 部屋の外で聞いていたのか、姪のメルヴィが現れる 手にはお盆が載せられており、そこには私の食事が載せられてるのだろう

「お姉ちゃんのご飯、持って来たよ」
「ああ、ありがとう」
「お兄ちゃん、お姉ちゃんの事、お願いね♪」
「あ、ああ」

 かなり良い笑顔でメルヴィは部屋を出て行ってしまう 熱とは別の意味で私の顔が赤くなっていくのが分かる

「さて……と」

 さっきまで怒っていた透夜が、今では凄く意地の悪い表情になっている ……何をされるのかしら?
 ……と思ったら、透夜はスプーンを手に取り、お皿に入っていた料理を掬って……

「ほら、ユミール ……あーん」
「え、あ、あーん」

 透夜の言葉に従うと、口の中に暖かい感触と塩の味 義姉さんの作ったお粥だと気付いたのは、その一口を食べきってからだった
 それと透夜がデートで仲良しのカップルがよくやるような行為をした、と言う事に気付いて、私の顔がさらに熱くなってしまう

「と、透夜……自分で食べれるから……」
「ユミール!お前が倒れたのは……」
「う……」

 透夜の言葉に私は何も言い返せなくなる そんな私に気付いたのか、もう一口私に持って来る

(……でも普通、これって女がやることよね……?)

 そう思うけど、口に出したら絶対透夜に怒られるわね……
 私が大人しく透夜のされるがままになってるのを安心したのか、透夜はとても優しい表情で、私の頭を優しく撫でてくる

「ふぁ……なんだか眠くなっちゃった……」
「そっか 傍にいるから、ゆっくり眠りな」

 透夜の手によって食事とナデナデが終わると、安心で布団に体が落ちて行く
 透夜が私の手を握ってくれるのと当時に、私の意識は落ちていった……


 目が覚めると、夜の8時が過ぎていた
 体を起こすと、すんなり起き上がり、自分の体調がかなり良くなったことを知る
 自分の手の暖かさを感じ、そこを見ると、私の大好きな人がそこにいてくれる事に気付く
 彼は私のベッドに顔をうずめながら眠っている

(ずっと私の傍にいて、手をつないでいてくれたんだ……)

 彼の優しい気持ちに、嬉しいのと同時に、申し訳なさが心にやってくる 誰よりも私の事を想ってくれる人に凄く心配をかけたから

「ありがとう、私だけのナイト様……あなたが病気になったら、私が看病してあげるね♪」

 誰よりも愛おしくて頼もしい男性の頬を優しく撫でながら、私は自分の気持ちを言葉にしたのです……

 終わり

 あとがき
 今度のピュアラブは、10年ほど前にウィンキーソフト出た、ロボットシミュレーションの聖霊機ライブレードからです
 んで、今回のヒロインは、コンシューマ系ギャルゲの中じゃあ、最年長のヒロインの一人・ユミール・エアル・クラシオ29歳です もちろん人間の中じゃあ、ですよ? ちなみに主人公風見透夜よりも12歳年上ですね〜
 ユミールと「みつめてナイト」のクレア以外でいわゆる「アラサー」ヒロインを私は知りません もちろんコンシューマのギャルゲで、ですよ?(まぁエロゲの経験は皆無なんですけどね)

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