夢を見ている
 何か暖かい物に包まれてるような、そんな優しい印象を持つ夢
 コレだと言う内容がある訳じゃないけど、凄く安心する夢
 その正体を知りたくて、私は目を覚まそうと努力するが、その優しい暖かさに浸っていたいと言う気持ちの方が強い

「唯湖さん……」

 そんな時聞こえた優しい声
 この声は聞き間違えの無い声だ
 私の大好きな、私より身長の低い男の子、理樹君の物だ

「あは、なんか可愛いな」

 むぅ、可愛いか……夢の中とは言え、理樹君にそう言われると、なんかこそばゆいぞ
 これは文句の一つも言わねば気が済まないな
 ずっとこの暖かい夢に浸っていたいが、いい加減起きなければならんからな
 反抗しまくる体に叱咤しながら目を開けると……

「おはよう、唯湖さん」

 最初に目に入ったのは、私に膝枕をしながら、慈愛に満ちた笑顔を見せる、理樹君でした(何故か敬語だが、気にするな)


  ピュアでほのぼの、そしていちゃラブシリーズ リトルバスターズ 理樹×来ヶ谷編


「唯湖さんが昼寝をしてたからね つい膝枕をしてみたくなったんだ」
「全く君と言う男は……これは凄く恥ずかしいぞ」

 理樹君の優しさの中に嬉しそうな表情に対して、悪態こそ付くものの、私の顔はきっと嬉しそうな顔をしてるのだろう……
 だって理樹君の膝枕は、夢で見た、暖かい何かに包まれたような安心感がある

「さて、唯湖さんの目も覚めたし、次は……」
「む……膝枕はもう終わりか……」

 それは流石に凄く残念な話だな

「うん、膝枕はもう終わり 次はお姫様抱っこをしながら女子寮まで唯湖さんを連れて行くから」
「な、な、な、なぁっ!」

 理樹君の宣言に、私は流石に狼狽した声をあげてしまう
 膝枕でも誰かに見られたら恥ずかしいだろうに……理樹君にお姫様抱っこをされながら女子寮まで連れて行かれる……
 想像しただけで、凄く恥ずかしい話だ!

「り、理樹君、それは駄目だ!」
「何で?」
「だ、だって、きっと私は重いと思う」
「多分大丈夫だと思うけど」
「し、しかし……」
「僕、たまに真人のトレーニンググッズを片付けてるから、力にはある程度自信があるんだ」

 そう言えば前理樹君の部屋を見た時は、真人君の物であろうあからさまに重そうなトレーニンググッズが沢山あったが……

「そ、それでも駄目だ!」
「何で?」
「は、恥ずかしい!」
「うん、僕も恥ずかしいけど、唯湖さんみたいな可愛くて美人な女性が僕の彼女だって皆に自慢したいから」

 理樹君はサクッと恥ずかしい事を言ってのける
 嬉しくない訳ではないが、理樹君にこうはっきり断言されると、何故か気恥かしい物がある
 気付くと私は理樹君の腕の中に抱き寄せられている

「り、り、理樹君……」
「ちょ、暴れないで!流石に重くなる……」
「す、すまない……」

 理樹君の真剣な表情に、私は思わず大人しくなってしまう
 だが、理樹君のお姫様抱っこと言うのは、想像通りの恥ずかしさだが、何故か嬉しさがこみ上げてくる……
 しかし……

「重くないのか?」
「うん、唯湖さんが大人しく僕に抱っこされてる内はね 背が高いし、その……」
「うむ、私のおっぱいが大きいと言いたいんだな!」
「う、うん、だから、想像してた重さよりは軽いと思う……」

 私の言葉に今度は理樹君が真っ赤になる これで私も少しは落ち着けるはずだ

「ふふ……理樹君は幸せ者だな 私みたいな美人をお姫様抱っこ出来るとは……」
「うん、唯湖さんが最高の笑顔を見せてくれるしね」
「なぁっ!」

 理樹君の一言で、私はまた動揺してしまう
 そんな私に、理樹君は凄く嬉しそうな表情になる

「り、理樹君、恥ずかしいぞ……」
「何時もは唯湖さんが僕をからかってるからね その仕返しだよ」
「む、むぅ……」

 仕返し、と言ってるが、それは半分口実だろう だって理樹君は最高に優しい顔をしているから
 出来ることなら誰にも見られないうちに下ろしてほしいが、それはきっと聞いてくれないだろう
 まぁ、たまにはそんな日があっても良いか 大好きな男の子にお姫様扱いされてるのだから―――

 おしまい

 おまけ

小毬「あれぇ?理樹君、どーしたの、その白いの……」
理樹「うん、これ、唯湖さんなんだけど」
小毬「ふぇっ!これ、唯ちゃんだったの!?り、理樹君!唯ちゃん、真っ白に燃え尽きてるみたいなんだけど……何やったの!?」
理樹「え、只のお姫様抱っこだけど……唯湖さんは、これでも十分恥ずかしかったらしくって……」
小毬「え!えぇっ!お姫様抱っこ!?い、良いなぁ……唯ちゃん羨ましいなぁ……」
理樹「小毬さん?」
小毬「ふぇっ!?そ、それより、理樹君、意外と力持ちさんなんだね!唯ちゃんを軽々持ち上げるだなんて!」
理樹「まぁ、一応少しは鍛えてるからね」
小毬「じゃ、じゃあ、私もお姫様抱っこ、して欲しいな〜」
理樹「ごめん、僕がお姫様抱っこしたいのは唯湖さんだけだから」
小毬「うん、残念だけど、しょうがないね〜」
理樹「ごめん」
小毬「あ、謝らないでよ〜 唯ちゃんをお大事にね〜」

 終わり

 あとがき
 久方ぶりのピュアラブシリーズ、今回はリトルバスターズの姉御、来ヶ谷さんにしてみました まずは鈴からだろ〜とか言うツッコミが来そうですが、ネタが来たのは来ヶ谷さんなので……
 内容は……只々来ヶ谷が恥ずかしがるだけの話だったな〜(苦笑) まぁいっか♪ ……良くないのかもしれませんがね(笑)

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