「むぅ〜〜」
「だからそんなに睨むなって〜」

 凄く呆れたような表情で、拗ねた顔の私を見つめる私の愛しい人 でもコレには女の子にとって重要な理由があるのですよ?

「だって達哉ってば、さやかさんに頭撫でられて嬉しそうだったんだもん」
「あれは姉さんの癖みたいなモンなんだから、そんなに目くじら立てるなよ」
「だぁって……」

 ぶつぶつ情けなく文句を言ってる私に達哉は少しだけ屈んでくる ……私に何をさせようとしてるんだろう……

「じゃあ、翠も俺の頭を撫でてくれないか?」
「え、えぇっ!?」

 達哉の一言で、私の顔はタコかリンゴかと思われるかの如く、真っ赤に染まってるのだろう……顔がすっごく熱いよぉ……
 あぁ菜月……我が親友よ……今のあたしはアンタを超えれる自信があるよぉ……いや、顔が赤くなる速度だけだから、それが嬉しい事かどうかは微妙な所だけどさ……

「翠?」
「え、えぇ?あ、あぁ、達哉の頭を撫でる、撫でるね……」

 ダメだぁ〜〜!達哉がいきなり変な事言い出すから、私の思考回路が完璧ダメになっちゃってるかも〜〜〜!


  ピュアでほのぼの、そしていちゃラブシリーズ 夜明け前より瑠璃色な 達哉×翠編


「翠、どうした?」
「え!? えぇっと、えぇっと……」

 うぅ……これってやっぱり撫でないとダメだよね……? なんか達哉の目が期待してるっぽい感じになってるし……

「じゃ、じゃあ、撫でるね……?」
「ああ、頼むぞ〜」

 嬉しそうな達哉の声とは裏腹に、私の声と手はあからさまに震えてる
 だ、だって! こーなるとは思わなかったじゃん!? そ、そりゃあ、達哉のお姉さんとは言え、さやかさんが達哉の頭撫でるの見てると、気分悪いけどさぁ〜!
 そ、それに達哉の髪、男の子にしてはすっごく綺麗だし! やっぱりちゃんとお手入れとかしてんだろーなーとか、恋する乙女の視線がそー見えてるだけだとか、そう思う部分はある訳……って誰に言い訳してるんだろ……
 それよりもナデナデしなきゃ……

「? 翠、震えてるのか?」
「う、うん!でも、だ、大丈夫大丈夫! エヘヘ…… それよりも、さやかさんと私、どっちが良いの?」
「? あぁ……翠の方が良いな すっごく安心する……」
「良かった……」

 この言葉が、例え私に気遣った嘘でも、凄く嬉しい……達哉の優しい声が、私の心の中を満たしてく……

「翠……!」
「きゃ……!」

 って、何時の間にか達哉に抱きしめられてる! どどど、どーしよぉ……

「翠は可愛いな……」
「え!?あ、う、うん! あ、ありがとぉ……」

 やっぱり言葉にして貰えると、すっごく嬉しい
 それに抱きしめられると、達哉の心臓の音が聞こえて、凄く安心する……

「たーつやっ」
「なんだ?」
「大好きっ♪」
「お、おう……」

 えへへ、真っ赤になってる 可愛いな……
 達哉の優しい顔も可愛い顔も私は大好き……ずっとずっと見ていたいから、これからも離さないでいてねっ! 私の大好きな旦那様♪

 おしまい

 あとがき
 2011年初のピュアラブは、夜明け前より瑠璃色なから、遠山翠になりました
 クロスSSでは達哉をおちょくる役目になってますが、これではラブな展開になるように努力しましたが、どうでしょうか?
 次のピュアラブはリトバスから小毬になる予定です ネタは固まってますが、どうなる事やら……

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