「あれ?ミアちゃん、お昼寝中?」

 俺と麻衣が学院から帰って来た時、リビングで最初に見たのは俺の大切な彼女のミアがソファで横になってる姿だった

「珍しいな、ミアが無防備な姿を晒すなんて」
「そんなミアちゃんも可愛いと思ってる恋人さんでした〜♪」
「こら!兄をからかうんじゃない!」

 全く麻衣は……でもミアの寝顔も本当に良いモンだ

「あれあれ〜?お兄ちゃん、何なさってるのですかにゃ〜?」
「? 何って、膝枕じゃなかったら何なんだ?」
「……………………………………………」
「何だよ、その、思いっきり呆れました的な表情は?」
「うう……からかいがいが無い……(涙)」

 麻衣が何故か涙目になってるが……まぁ良い
 にしてもミアは可愛い……何時もの健気にお仕事をしてる姿も可愛いが、今のミアも最高に可愛い
 よしよし〜いい子いい子〜♪ナデナデ〜♪

「ん……達哉さん……♪」
「起きたか?」
「ん……」
「寝言みたいだね〜 お兄ちゃんの名前を呼ぶなんて、どんな夢を見てるのかな?」
「えへへ……大好き……です♪」

 ………………………………
 ハッ!思わず意識が飛びそうになった!
 今、ミアは何て言った? 大好きって言ったのか?

「ふふ〜〜ん♪ 好きな女の子に寝言で告白される気分は如何なものですかな〜〜?」

 おのれ麻衣め……後で覚えてろよ


  ピュアでほのぼの、そしていちゃラブシリーズ 夜明け前より瑠璃色な 達哉×ミア編



「それでね、お姉ちゃん!ミアちゃんったら、寝言でお兄ちゃんの事大好きって言ったんだよ!」
「それはそれは、羨ましい話ねぇ〜 達哉君、今からでも遅くないわ!この可愛いミアちゃんを私に譲渡しなさい!」
「姉さんは何を言ってるんだ!麻衣もわざわざ報告するんじゃない!」
「はふぅ……恥ずかしいです……」

 夕食の後、ミアの言った寝言で盛り上がる
 寝言を言ったこともそうだが、ミアは俺の前で眠りこけてたのが相当恥ずかしかったらしい 夕食の時も耳まで真っ赤にして顔を下げていた

「ミア、おいで」
「は、はい……」

 皿洗いを終わらせてリビングに戻ってきたミアを、近くに呼ぶ 今まで月のお姫様付きのメイドとして仕えていた彼女は、俺の言葉に即座にしたがってくれる
 そして俺の隣に座らせた後、ミアの頭を優しく撫でて上げる

「ミア、可愛いよ」
「そ、そんな……私なんか……♪」

 言葉でこそ否定してるが、俺の言葉にまんざらでもなさそうに嬉しそうな表情をするミア
 可愛いから、もっとからかってやるか

「ミアは俺が嘘をついてるって言うのか? 俺から言わせれば、ミアは今すぐアイドルデビューだって出来るほど可愛いと思ってるぞ?むしろ即トップアイドルだな」
「そ、そんな……」
「真っ赤になって、可愛いな〜 よしよし、いい子いい子♪」
「うぅ……達哉さんの意地悪……」

 むぅ……少しからかいすぎたか ちょっと涙目だが……そんな表情も可愛いな

「ミアちゃ〜ん そんな意地悪なお兄ちゃんほっといて、私のお嫁さんにならない?幸せにしてあげるよ〜♪」
「あら?ミアちゃんは麻衣ちゃんだけのものじゃないわ♪ 私だってミアちゃんをお嫁さんにしたいんだから♪」
「ねーさんも麻衣も何を言ってるんだ」
「そうだよ、さやちゃんも麻衣ちゃんも!ミアちゃんはこの高見沢仁が……パビョ!」

 ミアの取り合いをしていた姉さんと麻衣の間に挟まるように、仁さんがが現れる ……鍵はかかってた筈だが……この人はどうやって入ってきたんだろう……頭にしゃもじが突き刺さってるのは何時もの事だから無視だ

「兄さんなんかがミアちゃんを幸せに出来る訳ないでしょう!ミアちゃん!達哉を嫌いになったら、私の所に何時でも来てね!」
「ブルータス……もとい菜月よ、お前もか」

 にしてもミアはモテモテだ 可愛いだけじゃなくて、健気で献身的で優しいからな……こんな子を恋人に出来るなんて、俺は幸せな男だな……

「そんな……達哉さんにそう言われると、とても幸せです♪」
「ん?もしかして……」
「達哉君、思いっきり口にしてたわよ♪」
「ぐはっ!」

 まさか口に出してたとは……こう言うのは二人きりの時に言うべきなんだろうけどな……
 まぁ、いいか ミアが幸せだし!

「ミア」
「あ、はい!」
「これからも、ずっと傍にいて欲しい」
「は、はい!喜んで♪」

 思わず言ってしまった言葉にも健気に返事をしてくれるミアだったが……場所が場所だけに皆がニヤニヤした表情で俺をみつめていた

 終わり

 おまけ
達哉「あ、メールが来た」
麻衣「え?もう10時半だよ〜 こんな時間に誰だろ〜ね〜」
達哉「え〜っと……フィーナと遠山からだ」
ミア「え?えぇっ!姫様ですか!?」
達哉「うん ええっと……『ミアを悲しませたら、問答無用で月に連れ帰りますので、そこの所宜しく♪』だって」
麻衣「遠山先輩は?」
達哉「ああ 『ミアちゃんを誘拐されたくなかったら、しっかり幸せにしてあげるんだよ♪』だと」
さやか「ミアちゃんモテモテね〜♪」
ミア「はふぅ……」

 おまけ終わり

 あとがき
 先週書いたメイドなずなのせいで、つい書きたくなった本物メイドのミアちゃんです
 よくよく考えたら夜明け前より〜の単発SSってコレが初めてなんですよね〜
 でもいちゃラブシリーズを銘打ってながら、今回は半分ギャグになってしまった気もします(笑)

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