「ん……」

 外の日差しを受けて、俺は目を覚ます
 寝ぼけ眼で最初に目に入ったのは、俺の最も大切な人の、とても綺麗な金色の髪
 その綺麗な髪を撫でながら彼女の寝顔を眺める

「ん……透夜さん……」

 寝言で俺の名前を呼びながら、彼女は俺の胸に甘えるようにすり寄ってくる
 その彼女の顔は、久しぶりに見た可愛らしいものだった

 そういえばいつからだろうか……彼女が俺に対する呼び方を「お兄ちゃん」から「透夜さん」に変わったのは――
 いつからだろうか……俺に抱きついて甘えるだけでなく、俺の心を優しく包み込むように抱きしめてくれるようになったのは――
 いつからだろうか……彼女が自分の事を「メルヴィ」じゃなくて「私」と呼ぶようになったのは――
 そして――いつからだろうか……その笑顔が、無邪気で可愛らしい物から、優しく慈愛に満ちたものになったのは――

 初めて会ってから10年……12才だった彼女は一言目にも二言目にも可愛らしい、と言う女の子だったのが、今は心身ともに美しく成長している
 あの時から変わらず、俺の為に何時も一生懸命に頑張る彼女の事を愛おしく感じたくなる

「よしよし……可愛いな……」
「ん……透夜さん……?」
「っと、起しちまったか?」
「ううん……大丈夫……」

 寝ぼけ眼ながらも、俺を確認した彼女はすぐさま笑顔になって、すりすりと俺に甘えてくる
 その笑顔と態度だけで俺は最高の幸せを手に入れた気持ちになるのであった


 ピュアでほのぼの、そしていちゃラブシリーズ 聖霊機ライブレード 透夜×メルヴィ編


「フンフンフ〜ン♪」

 台所で朝食の準備をする彼女は、毎度の事ながら楽しそうである
 機嫌が凄くいい時は今みたいに鼻歌を歌って可愛らしい笑顔で料理に励んでいる ……まぁ機嫌が悪い時など全然ないのだが
 一番目が付くのは母親譲りの形のいいお尻……って、んなモン見てる場合じゃないな それよりも綺麗な髪を見てる方が健康的だ

「なぁ、メルヴィ」
「な〜に?」
「髪、綺麗だよな」
「あは……♪」

 俺の一言で、メルヴィの顔は一瞬で真っ赤になる その態度がとても可愛らしくて愛おしい

「触って、良いか?」
「もう……お料理中だから、今は駄目ですよ♪」
「残念……」
「後で透夜さんが望むだけ……ね♪」

 笑顔で応えるメルヴィ その仕草が、初めて会った時には見られなかったその笑顔も、また魅力的だと思うのだった

 そんなこんなで朝食も終わり、俺はメルヴィの頭をナデナデさせてもらう事に

「えへへ……透夜さんの手、とても温かい……」

 可愛らしさと優しさが同居した笑顔で俺を見上げるメルヴィは、何かを言いたげである

「どうした?」
「えっと……透夜さん、知ってるかな……?」
「?」
「私、透夜さんにナデナデして貰うのが嬉しいんじゃないんだよ……?」
「は?」

 意味の分からない事を唐突に言い出すメルヴィ だったら何故ナデナデをするとそんなに嬉しそうな笑顔を見せてくれるんだろうか?

「えっとね……透夜さんが私にナデナデする時、私の一番大好きな表情をしてくれるからなんだよ♪」
「大好きな、表情?」
「はい♪」
「どんな表情なんだ?」
「えへへ……」

 俺の問いに頬を真っ赤にしながら笑顔を見せてくれるメルヴィ
 何時もの優しい笑顔も大好きだが、こんな笑顔もまた可愛らしくてもっと好きになりたくなる

「えっとね……ナデナデしてくれる時、透夜さんは私の知ってる中で一番優しい表情をしてるの……♪優しい透夜さん、とっても大好き……♪」

 今まで見たことのない可愛らしい笑顔で、可愛い告白をしてくれるメルヴィ 男にとってその告白はたまらない物がある

「メルヴィ……!」
「きゃ……! もう……♪」

 そんな可愛いメルヴィをギュッと力一杯抱きしめる そんな俺に、メルヴィの表情は可愛らしさの中に優しい物も見え隠れしていたのだった

 終わり

 あとがき
 ピュアラブ聖霊機ライブレード第二弾は、妹キャラの片割れメルヴィ・クラシオからです
 恋愛システムを搭載してるゲームでありながら声が無い、と言う致命的な欠点を持つゲーム……声さえあればヒロイン達にさらに萌えれたのに……と思ってたりしてます(笑)

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