いつもの放課後、ラブラブになった俺とことみはいつものようにことみに家でのんびりゆったり過ごしていた
 ことみは俺の膝の上でのんびり読書中 俺はそのことみの頭を優しくナデナデ
 でもそんなラブラブな毎日だけど、今日だけはちょっとだけ違っていた

「朋也君の胸、暖かいの とってもとっても暖かいの それに朋也君のお顔、とても優しくて素敵なの」

 それは、ことみが俺に「ぎゅってして欲しいの」とお願いしてきたからだ
 心の底から嬉しいです、と言わんばかりのことみ
 その表情はとてもうれしそうで、とても幸せそうだった
 頭をなでてやるとその表情はさらに嬉しそうな物になった

「ことみは可愛いな 髪も綺麗で手触りが良いし、匂いも最高だ」
「嬉しいの 朋也君にそう言われると、とても幸せなの」

 あーもう、すっげぇ可愛い笑顔で言ってくれやがる

「あのね、朋也君」

 俺がそんな幸せな感覚に支配されてる途中、ことみが俺を見上げて呼ぶ

「朋也君は、私にして欲しい事、ある?」

 心から幸せそうな笑顔で、そんな事を聞いてきた


  ピュアでほのぼの、そしていちゃラブシリーズ クラナド朋也×ことみ編


「して、欲しい事?」
「そうなの 朋也君が私にして欲しい事なの」
「して欲しい事……して欲しい事、ねぇ……」
「何でも言って欲しいの」

 いつもことみといちゃいちゃしてたからそんな事を考えた事が無かったぜこんちくしょー
 でもことみがせっかくこう言ってくれるんだしな……

「あ、そーだ」
「?朋也君、して欲しい事、あるの?」
「ああ ……キス、して欲しい」
「キス? キスって、ちゅーの事?」
「ああ ちゅーして欲しい」
「……いじめるいじめる?」
「なんでやねん」
「冗談なの 恥ずかしいから、目をつぶってくれると嬉しいの」

 ことみの言葉に従い、目を瞑ると、ことみが近づいてくるのが分かる
 そして一言「がんばるの」と呟いた数秒後、唇に柔らかい感触が触れられる

「恥ずかしいの とってもとっても恥ずかしいの」

 目を開けると、最初に本当に恥ずかしそうにもじもじすることみがうつった
 そんなことみの頭を俺はつい抱きしめて、頭をなでてしまう
 それだけでことみは嬉しそうな表情に早変わりする
 そうだ

「ことみ もう一つ良いか?」
「私に出来る事だったら、何でもいいの」
「抱きしめてほしいんだが、良いか?」
「抱きしめるって、私が朋也君に、今してもらってるみたいに?」
「ああ、ことみが気持ちよさそうにしてるからな どんな感じかためしてみたい」
「……恥ずかしいけど、頑張るの」

 何を頑張るのか知らないが、その表情は真剣そのものだ
 椅子に座ると、ことみはゆったりした動作で俺を抱き締め始める

「どう……なの?」
「ああ……本当、暖かいな ナデナデもしてくれるか?」
「わかったの」

 ことみは嬉しそうな表情で俺の頭をなでてくる
 暫くしてくると、その表情はだんだんと穏やかで優しいものになってくる

「今のことみは、優しいな」
「そう……なの?私は分からないの」
「なんか俺がことみに守られてるみたいだ」
「いつもは私が守ってもらってるから、たまにはそれでいいの」
「そうか」
「そうなの 今の朋也君は、子供みたいで可愛いの」
「そ、そうか」
「いつか朋也君の子供ができた時、その子にもこうしてあげたいの」
「そうか……って、おいおい!」

 のんびり幸せ系癒し空間に浸って聞き流してしまいそうだったが、ことみの言葉に流石に慌ててしまう

「もう、朋也君 じっとしてなきゃ駄目なの!」
「す、すまん」

 なんか一歩間違えると「メッ!」って子供を叱るような表情で怒られる ……ってじゃなくて!

「でも俺の子供って……」
「だめ……なの?私じゃ、朋也君の子供のお母さんになれないの?」

 さっきまでの優しい表情から一転、不安そうな表情になってしまう

「駄目じゃないけど……正直ことみがそこまで考えてるとは思わなかった」
「そこは女の子の不思議の一つなの」
「そうだな……今は駄目だが、いつかは……そうなると嬉しいな」
「そうなの きっと嬉しいの」

 俺とことみと二人の子供が楽しく幸せに暮らす……そんな未来を想像したのか、ことみの顔はとても優しくて、幸せそうだ
 だが、その嬉しい幸せ空間は長く続かなかった

「やっほ〜!ことみ、遊びにきったよ〜!」

 まさにバーン!と言わんばかりの音を立てて現れたのは……俺達の友達の杏だった
 その後ろにはその妹の涼を始めとした、演劇部の皆と生徒会長の智代、そして春原の妹の芽衣ちゃんがいた
 思わず俺たちはバッと離れたが……

「ほっほぉ〜う……どうやら私たちはお邪魔のようですねぇ〜♪」
「岡崎さんとことみちゃん、ラブラブです!なんだかとっても素敵です!」
「ふむ……これがオーソドックスな恋人たちの一時、と言うものか」
「岡崎君とことみちゃんは何時も仲良しですね 羨ましいです」
「あんた達は何時も何時も何時も何時も見せつけてくれますねぇ!」
「もう、お兄ちゃん!だったらお兄ちゃんも彼女を作ればいいでしょ!」

 俺がことみに抱きしめられてた現場をしっかり目撃されたのか、春原以外全員がニヤニヤとした表情で俺達をからかってくる

「私と朋也君はとっても仲良しなの だから、恥ずかしいけどたまには皆に見せつけたいの ……だからお邪魔じゃないの」

 恥ずかしいけど……まぁ、いっか ことみが幸せそうだし

 おしまい


 あとがき
 くっはぁぁぁぁぁぁ!なんっつーか書いてて無茶苦茶恥ずかしいです!
 しかし杏は朋也をおちょくる立場の方が書きやすいですね

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