優しくて可愛い彼女を連想するような、暖かい陽気になった今日
 明るい太陽を連想するような、可愛くも眩しい笑顔が似合う彼女との、のんびりデート
 手を繋いで大きい公園でのちょっとした散歩も、十分楽しい時間となる

「小毬さん」
「ん〜?な〜に〜?」

 そんな彼女に、僕自身の最大限の気持ちを込めて、彼女の名前を呼んでみる
 それだけで、彼女は心の底から嬉しそうな笑顔を見せてくれる

「大好きだよ」
「え……エヘヘ……私も、理樹君の事……大好き……」

 だからその気持ちを声にして出すと、彼女はすぐさま真っ赤に顔を染めて、僕の言葉に返してくれる
 その一言が、僕の気持ちを優しい物だけでなく、嬉しい気持ちも溢れて行く

「あ、あのね……だったら……」

 でも、何時もと変わらない僕たちのデート風景だと思ったら、小毬さんは突然不安そうな表情に変わってしまう
 それは、雄々しく咲いた花々が、一瞬でその全てが枯れてしまったかのようで……それでもその表情からは、悲しみと言う表現よりも、不安と評した方が正しいのかもしれない

「だったら、態度で示して欲しい……と思うのでありますよ〜……」

 でも、不安そうな表情の中に、恥じらいと真剣さが混じったその顔で、小毬さんは僕にお願いをしてきた……


  ピュアでほのぼの、そしていちゃラブシリーズ リトルバスターズ 理樹×小毬編

  
「えっとね、ゆいちゃんとはるちゃんに、理樹君と手を繋ぐだけで真っ赤になって、初々しすぎて逆に恥ずかしい、って言われて……」

 言葉の意味を聞くと、昨日小毬さんが葉留佳さんと来るヶ谷さんに僕との事で色々言われたらしい
 多分、あまりに進展しない僕達に、二人は業を煮やしたから、冷やかし半分で小毬さんをけしかけたのかもしれない

「じゃ、じゃあ、態度で示すって、まずはキス……かな?」
「キ、キスって……恥ずかしいよぉ、理樹くぅ〜ん……エヘヘ……」

 僕の一言に、小毬さんは真っ赤になった顔を隠しながら、それを想像したのか嬉しそうな表情になってくる
 だけどその嬉しそうな表情が行きすぎてるのか、ニヤけた表情で、可愛いと言う表現とは微妙に違う、と思わずにはいられない

「それじゃあ、ここでキス以上の事、する?」
「ふぇっ!!キ、キ、キ……」

 そして、次の僕の言葉で、小毬さんの顔は正に湯気が出てきそうな程、一瞬で赤くなっていく
 ……多分僕の顔も、凄く赤くなってる……と思う 我ながら凄い事言ってるもんなぁ……

「え、えっと、えっとぉ……理樹君が望むなら、私は嫌じゃないけどぉ……」
「じょ、冗談! 言ってみただけ!」
「そ、そうだよね! うん! さ、流石に恥ずかしいよね!!」
「う、うん……」

 でもこのまま、二人で向かい合って、真っ赤になるだけじゃあ、何時もと変わらないよね
 そう考えると、只恥ずかしがってるだけじゃダメだ……!

「小毬さん……ちょっと、目をつぶってくれるかな?」
「え……う、うんっ!」

 僕のやろうとしてる事が分かったんだろう……真っ赤になりながらも、笑顔で頷いて……小毬さんは静かに目をつむる
 そして僕は小毬さんに顔を近づいてい行って……そして

「おいっ!はるか、押すな!」
「そ、そうは言っても〜!」
「お、お二人とも、それ以上騒ぐと……」
「「…………………」」

 いざ、キスをする……その直前に、草むらの陰が突然騒がしくなり、それを強制中断させられてしまう
 その方向を小毬さんと一緒になって見ると、リトルバスターズの他のメンバーが皆仲良く倒れていた

『…………………………』

 僕たちと鈴達……お互い、気まずさから、何も言えずに暫く時が過ぎて行く

「ち、違うぞ、理樹……俺と謙吾と鈴は悪くない! 悪いのは恭介と来ヶ谷と三枝だ!!」
「そ、そんな!ひどいデスよ、真人君!! 真人君も結構ノリノリで覗いてたじゃないデスかぁ!?」
「みんな」
『ハイ、ゴメンナサイ』

 そして突然責任のなすりつけ合いをし始めたみんなに、笑顔で話しかけると、全身をビクッとさせた後、今にでも土下座をしそうな勢いで、謝るのだった
 ちなみに小毬さんは、みんなに見られたのが恥ずかしかったのか、只顔を赤くするだけだった……


「それにしても、せっかくの理樹君とコマリンのキスシーン、見れると思ったのになぁ〜」
「なに、葉留佳君 今回はたまたま間が悪かっただけだ……理樹君と小毬君なら、すぐにでもチャンスは訪れるさ」
「いやいやいや、キスシーンなんて、人に見せないからね!」
「そうだよ! はるちゃんもゆいちゃんも、私達をからかう為に、あんなこと言ったんでしょ――――!」
「「バレたか」」

 リトルバスターズの行動……特に来ヶ谷さんと葉留佳さんの行動に、小毬さんは真っ赤になって怒るものの、その表情ですら可愛い為、あんまり怖く無かったりする

「まぁ、それはともかく、だ」
「恭介さんまでぇ―――!ともかくで締めないでよ〜〜〜〜!」
「真面目な話だ……小毬」
「?」

 真っ赤になってプリプリ怒ってた小毬さんも、恭介の(珍しく)真面目な声に、思わず首を可愛らしく傾げる

「理樹の事を、これからも頼む」
「えっ、えっ、えぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜っ!」
「今回ばかりはこのバカに同感だな ……でも理樹が選んだこまりちゃんなら、きっと大丈夫だと思うぞ」
「私もそう思う 小毬君なら、きっと理樹君を幸せに出来る ……無論、理樹君も小毬君を幸せに出来ると思うが」
「いやいやいや、みんな、真面目にそう言われると、逆に恥ずかしいんだけど!!」
「うぅぅぅぅ〜〜〜〜! すっごく恥ずかしいよぉ……」

 今日この日……一つ分かったのは、真剣な表情でみんなに応援されると、逆に恥ずかしいと言う事
 でも、こんな日常なら、それでも良いのかもしれない……そう思えた……

 おしまい

 おまけ
佐々美「そういえば神北さん、昨日直枝さんとキスぐらいはする、って言ってましたが……?」
小毬「はぅっ! わ、忘れてたよぉ! さ、さ〜ちゃぁ〜ん! どぉしよぉ〜〜〜!!!」
佐々美「知りませんわ、この天然ドバカップル!!!」
小毬「はぅぅぅぅ〜〜〜! ご、ごめんなさい〜〜〜〜!」

 おまけも終わり

 あとがき
 先週の予告通り、今回のピュアラブはリトバス小毬さんとなりましたが……理樹のセリフがちょっと固かったかも……とちょっと反省デス
 ピュアラブの次は……どうなる事やら ネタが降りて来てくれれば良いんですがね

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