「カレンさん!コレは倉庫ですか〜?」
「あっ、いえ……それの半分はアイリーンさんが今すぐ使いたいって言ってたので……」

 激しいかの戦いから数か月、戦いの傷跡も徐々に癒え始めて、世界中の人々も平穏な暮らしを徐々に初めて行ってるような気がする
 普段はローランディア王国の騎士として、あちこち任務に駆り出される日々が続くが、たまの休みには、医者をやっている彼女の手伝いをやっているのである

「それにしても、毎度ながら申し訳ないです……」
「それはいいっこ無しだよ 大事な恋人の役に立てるのならば、男冥利に尽きるからね」
「こ、恋人……」

 俺の一言で、面白いぐらいにあっさり真っ赤になってくれるカレンさん こりゃ中々良いな

「ハイハイ、仲が良いのは分かったから、お仕事お願いしますね」
「あ、アイリーンさん!」

 一応仕事中の為、カレンさんの大親友のアイリーンさんが、俺の持ってた薬入りの段ボールを取りながら俺達に注意をする
 ……が、その表情は言葉とは裏腹に、後で俺達を全力でからかってやろうと言いたげなのがありありと出ているのも事実である
 その時だった!アイリーンさんが何かにつまづいたのか、転びそうになっているのだ!
 思わず飛び出して支えようとするが、やや間に合わず、何とかクッションになることに成功するのみであった
 それでもアイリーンさんに酷い怪我がなくて安心……では無く、俺の顔にアイリーンさんが持っていた段ボールが直撃……しかも開いてる方が当たったのか、中にあった薬草が俺の顔に……

「カーマインさん!アイリーンさん!大丈夫ですか!?」
「え、ええ、彼が助けてくれたから それよりも……あら?」
「俺も、何とか……」
「「え?」」

 何とか顔を塞がった薬草をどかした俺の言葉に、カレンさんとアイリーンさんは声が重なった 俺の声がなんか変なのか?

「か、カーマインさん、その姿……」

 カレンさんもアイリーンさんも凄い驚いたような顔になっている 俺のどこかが変になったのか?
 その時、少し冷静になったのか、カレンさんは手を差し出してくれる ……が、立ちあがったのは良いが……周りが少し大きくなったような気がする
 俺の身長は170だったから、カレンさんもアイリーンさんも2mを超えて……いや、逆だ……きっと俺の背が低くなったんだ……
 鏡(と言うより姿見か?)を見ないと良く分からないが、多分5歳が6歳ぐらいの身長に戻ったのだろう

「マジかよ……」

 唐突に降りかかった災厄に、俺は只そう言う事しかできなかった……


 ピュアでほのぼの、そしていちゃラブシリーズ グローランサー カーマイン×カレン編



「で、俺は何でカレンさんの膝の上に乗せられてるのでしょうかね?」
「さあ、どうしてでしょうねぇ♪」

 10分後、俺達は何とか冷静を取り戻したのだが……何故か俺はカレンさんによって無理やり膝の上に座らされた

「でもあなたは最近、無理ばっかりするから、休むべきだと思います」
「それは嬉しい申し出だけど、何で俺は頭を撫でられてるんでしょうね?」
「さあ、どうしてでしょうねぇ♪」

 そう、何故か俺はカレンさんにいわゆる「なでなで」をされているのである つか……

「何故にカレンさんはそんなに良い笑顔なんですか?」
「さあ、どうしてでしょうねぇ♪」

 そう、カレンさんの表情は普段の穏やかな表情では無く、何処となく嬉しそう……と言うか、かなり良い笑顔なのだ

「ふふっ 子供の頃のカーマインさんは、こんな感じなんですね♪」
「まぁ良いけどさ……」

 色々文句を言いたい事が無い訳では無いが、カレンさんが嬉しそうだから、まぁ良いか……
 それにしても……

「元に戻るんでしょうかねぇ……」
「さあ……アリオストさんに使いを出してるから、多分問題無い筈ですけど」
「そっか」

 魔法に色々詳しいアリオストに聞けば、特に問題は無いか

「でも、子供の頃の夢が叶っちゃいました♪」
「え?」
「私、お姉ちゃんになりたかったんです 私、妹ですから」
「へぇ」

 カレンさんがお姉さんだと、結構面倒見が良い優しいお姉ちゃんになってるんだろう
 それを想像すると、ちょっと微笑ましい気分になる でも……

「ルイセじゃ、ダメなのか?」
「あ……」
「ルイセが妹じゃ、嫌なのか?」
「そ、それって……」
「すまん、ズルイ言い方だったな」
「い、いえ……でも……」

 カレンさんの表情が、これでもかと言わんばかりに赤くなる
 ルイセを妹に出来る、と言う事は、俺のお嫁になれる、と言う事で……カレンさんは俺の言いたい事をしっかり理解してくれたからこそ、赤くなってるのだろう……そう信じたい

「そうだな……近いうちに、母さんに改めてカレンさんを紹介したい……今はこの言葉で我慢してくれ」
「そ、そんな!その言葉だけでも十分なのに……わ、私……グスッ……」
「あぁ〜 カーマインさんがカレンさんを泣かせてる〜」
「あ、アイリーンさん!ち、違うんです、コレは、えっと……」

 いつから覗いていたのか、アイリーンさんが俺達をからかっている こんなんでここの仕事は大丈夫なんだろうか……?
 それにしても、さっきから気になってたが……カレンさん、俺を後ろからギュッと抱きしめてるけど……当ててるの?それとも気付いてないの? この言葉は皆の想像に任せると言う事で……

 ちなみに俺が小さくなった原因は、取り寄せた薬草の中に、間違えて小さくなる魔法の薬が混ざってたらしく、その解除の為に、数日間、本業である騎士を休養せざるを得なく……まぁ休めたから良いけどさ

 終わり

 あとがき
 はい、グローランサー初のピュアラブはお医者様志望のカレンさんから この系統を書き始めた当初は書いててすっごく恥ずかしかったのに……今は楽しみながら書いてます
 にしてもアイリーンの性格……無茶苦茶変更してるなぁ……まぁ良いけどさ(苦笑)

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