今日は折角のお休み、あの方から誘われたデートの日なのですが……

「ねぇねぇ、今暇なんでしょ?」
「俺らと一緒に遊ぼうぜ〜」
「遅く来る彼氏なんて無視してさぁ〜」

 なんだか、あの方……稟さんの親友の緑葉さんと比較しても、軽薄そうな方々から、今現在声を掛けられてますの
 これが所謂ナンパと呼ばれる物なんですね? 以前、ツボミちゃんもされた事があるそうですが……話に聞く以上にしつこい方々なんですねぇ……
 
「そこまでだ」
『あぁ!?』

 あまりのしつこさに、辟易していたその時……
 稟さんが……私の大事な人が、中央にいた男の方の腕を強く握りしめ、堂々と立っていました


  ピュアでほのぼの、そしていちゃラブシリーズ SHUFFLE! 稟×カレハ編


「て、テメェ! 何しやがる!」
「それはこっちの台詞だ……俺の女に手を出すな」

 稟さんは、全力で腕を掴んでるのか、その男の方は青くなって喚き始めます
 それに対して稟さんは……普段の温厚さとは違い、凄まじい殺気を放ちます
 なんと言うか……こんな時に不謹慎ですが、そんな稟さんも素敵ですわ……
 あんなワイルドな表情を見せられると……もっと好きになってしまいそうですわ♪

「先輩、大丈夫ですか?」

 ワイルドな稟さんが、私の腕を取って、そのまま私の唇を……
 そして、私を押し倒して、服を脱がされる所か、引きちぎられて……

「まままぁ♪」
「わっ!」

 稟さんったら、私をたっぷり愛してくださってるのですね……♪
 稟さんが望むなら、私……私……♪

「せ、先輩……戻ってきてください……」
「え……?」

 そして、不意に聞こえてきた稟さんの声……
 視線を前に集中させると、ちょっと戸惑った様な稟さんの笑顔
 ……そんな稟さんの笑顔も、素敵ですわ……

「本当に大丈夫ですか?」
「え、ええ……大丈夫ですわ」
「……よかった」

 そう言えば、ナンパと言う物をされていたんですわね、私は
 そして稟さんがその方々を追い払ってくれたんですが……

「そう言えば、すみません……」
「え……?」

 不意に、稟さんが頭を下げてきますが……どうしてでしょうか?

「その場の勢いとは言え、先輩を物扱いしてしまいましたから……」
「あら、そんな事ですの?」

 話を聞くと、なんとも稟さんらしい一言
 でも、この方を愛する一人の女としては、ちょっと不愉快な言葉ですわね

「私は最初から、あなたの物のつもりなんですのよ?」
「で、でも……」
「デモも体験版も有りませんわ! ……稟さんは私がお嫌いですか?」
「そんなことありません!」

 私の問いに、稟さんはあっさりとご自分の気持ちを表に出してくれます
 この一言だけで、私はあっさりと嬉しさに支配されますわね……

「それに、さっきはとても嬉しかったのですよ?」
「え?」

 私の言葉に、稟さんは不思議そうな表情を
 本当、稟さんは人を物扱いするのを嫌がる方なのですね……

「だって、稟さんに愛されてるんだ、と言う実感がわきあがってますのよ? そう言った意味では、先ほどの方々に感謝しなければなりませんわね」

 そして私の言葉に、稟さんは一瞬で顔を赤くされます
 そんな稟さんに、私は思いっきり抱きつきます

「そんな事より、早く行きましょう! 今日から素敵な映画が放映されるって、亜沙ちゃんが仰ってましたの!」
「あ、はい! ……って、先輩!」
「? どうかなさいましたか?」
「……い、いえ…… 何でもありません……」

 あらあら、稟さんったら……腕に私の胸が当たってるのを気になさってるんですね?
 普通の殿方はここで喜ぶ所だ、と亜沙ちゃんは仰っているけど……稟さんはこう言う所では初心なのですねぇ

「煩悩退散……煩悩退散……」
(あらあら♪)

 稟さんったら、そんな事を呟いていますけど……稟さんになら、どんな所で襲われても構わないのに……♪
 まぁ、今日は映画ですわね…… 今日一日、大好きなこの方と一緒に過ごすから、チャンスは何度でもありますわね
 そう思うと同時に、私は稟さんの腕に抱きつく力を、さらに強めました……

 おしまい

 あとがき
 と言う訳で、今回のピュアラブシリーズ、SHUFFLE!から、天然妄想お姉さんのカレハからとなりました
 ひだまりメイドラプソディでは、楓を始めとした後輩組に出番を食われまくりのお姉さまではありますが、こちらでようやく出番を上げれる事になりました(笑)
 次のピュアラブは……誰だろ? ネタの降り具合でしょうかね? ひだまりの学園祭編も早く書きたいし

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