「いずれはこうなるかと思ってたんだ」
「……済まない、リーブス」

 目の前にいる優男……オスカー・リーブスが、珍しく私に対して厳しい態度で接している
 珍しいついでに、彼が叫ぶたびにツバが激しく飛びかかって、はっきり汚い ……それだけリーブスが怒っていると言うことなのだが

「いーや、許さないね 君が無茶をすれば、彼に大目玉を食らうのは僕とアーネストと陛下なんだ」
「弁明の余地もない……」

 そもそもの始まりは、沼の中におぼれていた小さな猫を後先考えずに助けた事だ
 そして猫の体を洗ったは良いが、助けに行った自分も濡れてる事を忘れたが為、見事に風邪を引いてしまった、と言う事だ

「まぁ、アーネストが叱られるのを覚悟で、カーマインを呼びに行った 夕方には来るだろうから、思う存分看病されると良い」
「なっ!り、リーブス!」
「文句は後ほど 君とアーネストが出来なくなった仕事の8割が、僕に回ってきたんでね」

 私が文句を言うのを察したのか、ニヤニヤしながらリーブスは部屋を出て行った

「全く……」

 その姿を見て、私は只溜息を吐くことしかできなかった


  ピュアでほのぼの、そしていちゃラブシリーズ グローランサー カーマイン×ジュリア編


「あっはっはっはっはっは!」
「もぅ、お兄ちゃん……笑いすぎだよぉ」
「ルイセ、コレが笑わずにはいられるか!かの勇猛なインペリアルナイトが沼に落ちて風邪を引いたんだからな!あっはっはっはっは!」

 リーブスの言う通り、彼……カーマインは夕方に私の屋敷にたどり着いた……のだが、ベッドに入っている私を見るや否ら、腹を抱えて笑い始めたのだ

「最初ライエルが来たときは、俺をからかいに来たかと思ったが……」

 一通り笑い終えると、とたんに真剣な表情になり、私の目を見据える

「お前の欠点は、どんな小さなことでも自分一人で終わらせようとすることだ 上に立つ身として、しっかり部下に頼るのも悪くないと思うが?」
「済まない、返す言葉もない」

 この男とて、軍属である以上、暇では無かった筈 それなのにわざわざ隣国であるここまで来てくれたのは、それだけ私の事を大事にしてくれている、と言うことなのだろう
 そう思うと、少しだけ恥ずかしくなってしまった

「さて、俺は明日休みなんだ……ジュリアは?」
「私は……この通りだから……」
「そうか、じゃあ、明日は看病だな」
「なぁっ!」
「嫌なのか?何時も色々して貰ってばかりだから、お前の為に何かしたいと思っていたのだが……」

 言うと共に、かなり残念そうな表情でうつむく彼……こんな姿も絵になる……じゃなくて!

「あ、あなたが寝る場所とか、色々問題が……!」
「今日はこの家で寝てくれって、君のお父様が仰ってくれてたね 娘をよろしく頼む、とも仰ってくれた」

 なんか、私の逃げ道が全部防がれて行ってるような気がするのだが……

「じゃ、じゃあ、宜しく頼む……」
「よろしい」

 しぶしぶ負けを認めるように頭を下げると、彼は優しく笑い、私の頭を優しく撫でてくる

「あ、あの、恥ずかしいのだが……」
「好きな女性の頭を、自分の好きなように触るのは、男の夢なんでね」

 そこまで言われると、只頭を差し出すしか方法は無いのだが……
 何故か、これからの彼にして貰う看病を想像すると、逆に熱が上がりそうな気がするのは気のせいか?

 終われ

 あとがき
 なんか中途半端的な展開でしたが、とりあえず今回はグロラン1・ジュリア編です
 よくよく考えれば、只でさえ色々ゲーム中に色々あるのに、この二人って遠距離恋愛なんだよなーと思ったり

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