砂漠 それは人が住むには過酷すぎる場所である
 朝と夜では気温差が激しく、食糧を作る為の畑も作るのですら難しいからだ
 しかし人間とは不思議な物で、その砂漠の中でも生きようとしている人間がいる
 そしてその人間達の国・テルパドールに向か王としているいる旅人がいた

「つい一時間前までは凄く熱いと思ってましたが……急に寒くなる物なんですね……」
「そうだね 僕も初めて知ったよ」

 彼ら……リュカとフローラは一行の中心人物とも言うべき人間であり、つい一か月前に結婚した新婚さんである

「フローラ こっちに来てくれないかな? 少し寒いからね」
「は、はい……ポッ」

 リュカが自分の隣とトントンと叩き、フローラを呼びよせる
 フローラも恥ずかしそうではあるが、それを当然のようにリュカの元に身を寄せる

「フローラ 大好きだよ」
「私もですわ ……ポッ……」

 しかし……この夫婦と共に旅をしている者たち……モンスター達は一言「やってらんねー」と思っているのであった


  ピュアでほのぼの、そしていちゃラブシリーズ ドラゴンクエストXリュカ×フローラ編


 昼間になると太陽が容赦なくリュカ達を襲う それだけではない たまにその土地特有のモンスター達も少なからず襲ってくる
 しかしそれらもリュカ達の必死の反撃で次々と駆逐されていく
 リュカが仲間にしたモンスター達は怪我や砂漠特有の壮絶な暑さを恐れずに彼らに果敢に攻撃していく
 その理由は単純明白 フローラの存在である 修道院に行った事のある彼女の優しい精神と治癒魔法でモンスター達の心を数日と経たずにわしづかみにしたのだ

「フローラ、大丈夫かい?」
「はい、あなたがいるから大丈夫ですわ」

 リュカの心配そうな表情に、笑顔で答えるフローラ 旅の過酷さを最初は理解していなかった節はあったものの、今となってはどんな事があっても笑顔を忘れていない

「モンスターさん達も優しくしてくれますし……なによりあなたが守ってくださるから……私幸せですわ」
「そうか」

 フローラの言葉と表情にリュカは砂漠の暑さとは別の意味で顔を熱くさせる

「で、でも暑くないか?そから君を守るのは僕でも難しいから……」
「うふふっ!そこの所も抜かりなく!こうすれば大丈夫ですわ!」

 言葉と共にフローラはリュカに抱きついていく

「フ、フローラ……?」
「お母さまから聞きました 人の肌はどんな場所でも生きてる限り一定の体温を保っていると」

 自分のやってる事がちょっと恥ずかしいのか、顔を赤くしながらリュカを見上げる

「だからこうやって、お互いを抱きしめればきっと大丈夫ですわ」
「フローラ……」

 フローラの言葉以上に、リュカは自分の為に必死にいろんな事を頑張ろうとする彼女の心にひどく感動した

「フローラ」
「はい」
「これからも君には苦労をかけると思うけど……きっとついてきて欲しい」
「もちろんですわ!」

 リュカの言葉に、それを待ってました、と言いたげな表情でフローラは答える
 だけどリュカの仲間のモンスター達はちょっとだけ思う
 二人の仲がいいのは悪くないけど、仲が良すぎるのはちょっとだけやだな……と
 特にこの熱砂の砂漠地帯だと二人の暑さで死んじゃわないかな……などとちょっと心配してしまうのであった

 終わり


 あとがき
 ビアンカ編に続き、フローラ編を書いてみました とりあえずビアンカ編とはシチュをちょっと変えて新婚時代でやってみました
 こう言うラブSSを書いてると恥ずかしくなると思ってましたが、そんな事はあまりないですね 無茶苦茶恥ずかしかったのはことみ編ぐらい
 ともかく次はどのカップリングにするべきだろう……アンディ×フローラか?

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