「よし、これで大丈夫やな」

 俺の大事な人が、俺の膝に張られた絆創膏を見ながら、ホッと一息付く

「すまん 助かった」
「ま、うちは魚住の可愛い可愛い彼女やからな〜 このくらいして当然や〜」

 可愛いかどうかはともかく、芦原は嬉しそうな表情を崩さない 俺の為に何か出来るから、と言う理由だと思うのは俺の自惚れでは無い筈

「さて、お昼お昼〜 魚住〜、今日はお弁当や〜」
「ん?」

 腰掛けていたベッドから降りて食堂に行こうとしたら、芦原はどこから出したのか、弁当箱を二つ出してきた

「せ、せやから……魚住の分も作ってみたん……食べて、くれるか?」

 さっきまでの勝気で明るい表情はなりを潜め、不安そうな表情の彼女がそこにいた


  ピュアでほのぼの、そしていちゃラブシリーズ GA 芸術科アートデザインクラス 魚住×芦原編
 

「さっきまで保健室におった二月ちゃんと一緒に、前に料理の勉強をした事があったんや」
「あぁ、そう言えばそんな事があったって、前に水渕が言ってたなぁ」

 前に芦原が妙なモン作ってた、と水渕がさもおかしそうに話ていたのを思い出した ……しかも芦原の前で
 それに水を得た魚の如くおちょくった保村に「うがぁ―――――!」って叫びながら蹴り上げたのも印象的だが

「一応味に問題は無い筈や 食べてみて〜」
「おう」

 弁当箱の中にはちょっとしたスパゲッティーにミートボール それに卵焼きに……

「タコさん……か?」
「あ、うちの弁当箱そっちやった」

 芦原が真っ赤になって弁当箱を好感したが、中身はウィンナーがタコになってないだけで同じ内容だった
 気を取り直してまず卵焼きを一口……味は「問題無い」どころか……

「うむ、かなり良いと思うぞ」
「ほんま!?」
「ああ、見てるだけでなく、お前も食えよ」
「あ、そーやった」

 俺に指摘されて、俺を見てるだけと言うのに気付いたのか、ようやく芦原は自分の弁当箱に手を付ける
 そんな芦原に俺は心が優しくなるのを感じ、芦原の頭を撫でてしまう

「ちょ、魚住ぃ〜〜!恥ずかしいし、それ以上に食いずらいわぁ〜!」
「ま、もうちょっといいだろ?」
「よくあらへん〜〜〜!後でやってやぁ〜〜〜〜!」

 少し強くすると、さらに芦原は顔を真っ赤にして恥ずかしがる そんな芦原も可愛い、と思ってしまうのであった

「うん、なかなかよかったぞ 次も作ってくれるか?」
「うお!?いつの間に食い終わったん!? ……まぁ魚住が頼むなら何度でも作ったるな〜♪」
「ああ、頼む」

 コロコロ変わる芦原の表情を楽しみながら、今日の昼休みを過ごして行った……

 終わり

 あとがき
 以前ブービーさんにリクを貰った魚住×芦原のイチャラブSSとなりますが、こんな感じでどうでしょうか?
 烈人×如月の直後のシーン、と考えてもらって構いません
 おまけとして野田姉が魚住をおちょくったり何だかんださせようと思いましたが、これはゆきさんのSSと被りそうなので止めておきました

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