「私のパンは、食用じゃ無かったんですねぇ〜〜〜〜〜!!」
「俺はァッ!! 大好きだぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!!」
何時ものように、古河パンに向かおうとした、私とパパとママ
そんな私達の目の前を、何時ものように私の祖父母……アッキーと早苗さんが疾風のように駈け出して行った
「相変わらずだな、あの二人も」
「そうですねぇ 仲が悪いよりは良いんですが、それでも……」
パパとママも、二人の態度に、ちょっとだけ呆れたような表情になってしまう
だって……
「アッキーと早苗さん、後数年もしたら、60代になるんだよね? なのに……」
「汐、それだけは言うな……」
そう、アッキーと早苗さんは、もう50代後半なのに、30代のパパやママと同じぐらいの年齢にしか感じない程の外見年齢……
古河の血って何か凄い……と思わずにはいられない……(笑)
恋人達を見守る10題 その1 あ、まただ
「でも、アッキーと早苗さんって、ホント仲良しだよね」
「へっ、そう言葉にすんじゃねぇよ てれ臭いじゃねぇか」
一時間後に帰って来たアッキーと早苗さんだけど、ホント仲良し
なんか何時も一緒にいて、ニコニコしてるんだもん
「でも、このままおじいちゃんとおばあちゃんになって、縁側でのんびりお茶、ってイメージはわかないけどね」
「そうですね なんか、それはイメージがわきませんっ!」
やっぱりママもそう思ってるんだ
アッキーも早苗さんも普通ののおじいちゃんやおばあちゃんになってる姿なんて、ちょっと想像できないもん
「それよりも小僧、このパンを食え 早苗特製だぞ」
「いや、オッサンが食えよ 愛妻お手製なんだろ?」
「だからって、他の奴に押し付ける訳にもいかんだろ?」
いつの間にか、アッキーは早苗パンを片手に、パパに絡んでる
だけど、それはお約束の如く……
「私の……私のパンは……」
「ゲッ、早苗!」
「人に押し付けなきゃ、食べてもらえないものだったんですねぇ〜〜〜〜〜〜!!」
「俺はぁッ! 大好きだぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!!」
「「「…………」」」
ワァッ!と泣きながら外に駈け出して行く早苗さん
そして早苗パンを口にしながら、早苗さんを追いかけるアッキー
なんというか……すごいなー……
「恒例行事とは言え……毎度毎度どうコメントしたらいいか、分からんな」
「はい……」
「な、仲が悪いよりはマシだよ、きっと!」
でも、もうちょっとで60代になるのに、何であんなに若々しいんだろう……私達親子の疑問は、まだまだ理解できそうにないのでした
終わり
あとがき
今回は、恒例行事過ぎる展開で あっさり書けましたが、あまりにもお約束すぎる展開だった気も
それに、タイトルから比較すると、回数の桁が大きすぎた気もします アッキーと早苗さんだし、汐の設定が高校生にしちゃってるし