□6番 ファースト宮小路瑞穂 アウトカウント1

「さて、瑞穂先輩、か……」
「遠目から見ると、直枝先輩と同じ印象を受けるけど……」
「ああ、瑞穂先輩はKN科だ」

 上野からバットを受け取り、バッターボックスに向かう瑞穂を眺めながら、乃莉は(やはり)正直な意見を言いますが……
 透夜の一言に、乃莉は「あんな華奢な人が……」と少し驚いた様な表情になります

「でもまぁ……流石は良い所のお坊ちゃんと言う所か…… ジャージなのに、絵になりやがる……」
「いや、透夜……そんなに悔しそうな表情しても、現実は変わんないからな? 冗談かもしれないけどさ〜」

 しかし、直後の透夜のセリフに、なずな達は額に汗をたらし、稟はそれにツッコミを加えるのでした……

(低め内角……で良いのかな?)
(分かった)

 そんな透夜達の状況を横目に、理樹はストライクゾーンギリギリの場所にグローブを持って行きます
 それに頷き、鈴は投球フォームに入ります

(甘く入った ……行けるっ!)
「しま……ッ」
「二木さんっ! 来ヶ谷さんっ!」

 しかし、直後の軽快な音に、理樹と鈴はその打たれた球を見上げますが……結局は一塁打となってしまったのです……


  ひだまりメイドラプソディー!外伝 生徒会と野球勝負! 第六話 伏兵!(前編)


□7番 ショート瑠璃・マツリ ランナー1塁(瑞穂) アウトカウント1

「1アウト1塁でマツリ先輩、か……」
「瑠璃さんの事だから、ホームランは無いと思うけど……」
「土見君、どっちの味方ですか?」

 バッターボックスに入って、構えるマツリに、稟は一言呟くように言いますが、神谷に言われたくない事を言われてしまいます

(マツリ副会長、か…… とりあえず、低め中央ね)

 理樹の構えた場所に、そのまま投げる鈴でしたが、マツリの方はそのまま見過ごします

(成程、出来ればストライク、と言うタイプですか…… なら、次も……)
(来る、か…… 鈴、ニャット、行ってみようか……?)

 足に力を入れたマツリを見て、理樹はグローブを下の方に持って行きつつ、鈴の必殺ボールを指示します

「打たれたッ!?」
「はるかっ!」

 しかし、そのボールはあっさり打ち返され、ショート……葉留佳の方に、ワンバウンドしながら、真っ直ぐ進みます

「宮小路っ! 急げっ!」
「はるちゃんっ!」
「おっけーですよ〜!」

 そして、そのボールをなんなく取った葉留佳に、律太は思わず叫びますが……そのまま、その葉留佳にグローブを向けつつ2塁に走る小毬が先に入ります

「コマリンっ!」

 そんな小毬に葉留佳は振り返らずにボールを投げ、小毬もそのボールをなんなくグローブに収めます
 そして、その直後、なんと小毬はその場にいたすべての人の予想をはるか上の行動を開始します!

「神北が……」
「飛んだっ!?」

 そう……小毬は2塁を踏んだ直後、そのままその足を力強く飛びあがり……

「まさか……ファーストにっ!」
「ダ、ダブルプレーかよッ!」

 リトルバスターズ、生徒会、観客、すべてが小毬の行動の意味を理解したその瞬間、その細身をファースト……謙吾の方に向かい……

「けんご君ッ!」

 そのまま、そのボールを真っ直ぐ謙吾の方に向かいます
 謙吾もそんな小毬の行動を理解していたかの様に、足を1塁に置きつつ、グローブを小毬の方向に向けています

「マツリっ! 急げ……急げッ!」

 その謙吾を見た律太は、思わず叫び、マツリも走りを速めようとします
 そんな中、ボールは自分の意思を持ったかの如く、謙吾のグローブの中にそのまま入って行き―――

 次回に続く

 あとがき
 と言う訳で、ここで一旦次回に続く、です 小毬がダブルプレーを成功したかどうかは……次回のお楽しみ、と言うことで〜
 まぁ、多分今回の結果は、ある程度予想出来てる、とは思いますけど、ね(汗)
 でも、問題を挙げるとしたら、小毬と謙吾の真ん中にいる瑞穂ですが…… まぁ、もう二塁を過ぎてる……よね?(ぁ

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