「いよぅ、生徒会役員共…… 久しぶり!」

 なずな達が入学して、約一月が経った、ある放課後における、何時もの生徒会室での業務中……
 一人の男子生徒がノックもせずにその部屋に入ってきました

『内藤先輩!?』
「? 誰ですか?」

 しかし、そのマナー違反とも言うべき行動を、咎めるどころか、一年生である和以外は、吃驚した様な表情になるだけでした

「今日はどんな御用ですか?」

 つい先ほどまで、自分が使っていた上座の席を譲りつつ、ささらは律太の来訪の理由を問いかけます

「この時期に俺が来た理由は、一つしか無いと思うが?」

 ささらの問いに対する律太の答えは、その場にいた、和以外の生徒会役員たちの表情が、緊張で強張ります

「あぁ、それと……」

 本来の目的を言おう……そう言う雰囲気の中、律太は手に持っていたロープを引きよせ……その先に縛られていた、女子生徒の首根っこを捕まえて、ささらたちの面前に差し出します

「コレ、後で『処分』しといてくれ 生徒会の恥だから」
「ま、まーりゃん先輩!?」
「いやー……油断したよ〜 さーりゃんたちの着替えを覗こうと思ったら、先輩につかまっちまったんだからさ〜」

 突きだされた生徒……大学部TH科一年、朝霧麻亜子……通称まーりゃんは、生徒会役員たちにはおなじみの笑顔を向けていました……

 

 ピッピッピッ!ピッピッピッ!(←アニメ生徒会役員共のノリで)

律太「彩井学園生徒会会則……ひとぉーつ! どんなときにも、全力全『壊』で!!」
なずな「え、えぇッ!? 壊すの!?」
乃莉「どこぞの魔法少女の如く、って訳ですね!?」


 ひだまりメイドラプソディー!外伝 生徒会役員の日常! プロローグ 生徒会!


「成程、内藤先輩は先々代の生徒会長だったんですか……」
「ある意味じゃ、俺も歴代彩井の生徒会の中じゃあ、恥の一つだけどな……」

 和の納得した様な一言に、律太はやや自虐的な表情で答えます

「あ、あの、それってどういう……?」
「コレだよ」

 その表情の意味を聞くと、律太はロープで縛られてるまーりゃんを指さします

「悪い奴じゃあないんだけどなぁ……生徒会の会長としての資質とか、そー言った意味では、ある意味最悪でな……」

 任命責任、って意味じゃあ、俺はある意味歴代生徒会の恥の一つだ、と律太が説明する必要が無い程、和にそれが伝わってしまいました

「それで、そいつが今年の新入りか?」

 そして、不意に真面目な表情に戻り、律太は和に視線を向けます

「はい KN科一年、真鍋和と言います! 宜しくお願いします!」
「うむ 先々代会長の内藤律太だ ……学園の大半の生徒同様、変わり者の多い所だが……ま、一日でも早く慣れてくれ」
「はい!」

 和の言葉に、彼女の人となりを少しでも理解出来たのか、律太は満足そうに立ち上がります

「と言う事で、俺は寮に帰るが……マツリ副会長にも、宜しく伝えてくれ」
「はい、わかりました それで、まーりゃん先輩はどうしますか?」

 そのまま生徒会室を出ようとする律太に、ささらは未だに縛られて部屋の隅っこに放置されてるまーりゃんの処遇を聞きます

「……BS科に設置してる溶鉱炉に突っ込んでも死なないよな……?」
「し、死にますよ、流石に!」
「せ、先輩! せめてあたしを人間扱いしてくれ!」

 律太の言葉に、ささらとまーりゃんが驚いたような声を上げ、暫く考え込みますが……

「そうだな……適当な所に縛り付けて『私は女子生徒の着替えを覗いたダメ会長です』と言う看板を置いといてくれ」
「わかりました」
「え? えぇ!? 分かっちゃうの!? さ、さーりゃん、謝るから! 覗いたのはあたしが悪かったから、解放してくれ!?」

 律太の言葉に従い、智代と和がまーりゃんを掴み、そのまま喚きながら外に連れ出されて行きました

 彩井学園生徒会――― ここは、彩井学園の生徒達が、楽しく生活をする為に設置されてる組織……である筈である(笑)

 次回に続く

 あとがき
 やってしまいました……(笑) まさにこんな展開有りなのか!?って感じです
 ともかく、今回ToHeart2から、まーりゃん先輩が初登場ですが……扱いがかなり悪いですね
 こっちの外伝編は、かなり気まぐれ更新なので、続きはのんびり待っててください

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