クリスマスから年末年始にかけて…… 私達の世界同様、この世界でも忘年会等で、酒が入り易い時期故に……
世の中、悪い意味での変人奇人が現れます
「はぁっ！ 下着を盗まれただぁっ！？」
そんな年末のある日…… 律太が妹の様に可愛がっている少女が、ゆの、宮子と言う二人のルームメイトと並んで尊敬する、神北小毬が涙ながらに報告してきた事柄に……
律太は今すぐに頭から湯気が出さんばかりに、怒りを覚えます
……しかし……
「って、犯人は来ヶ谷じゃあねーだろーなー？」
「私もそう思って、ゆいちゃんに聞こうと思ったけど……今、実家に帰ってて、寮にいないんです〜 グスッ……」
「じゃあ、棗兄の方か？」
「りんちゃんがきょーすけさんにも聞いてみたけど、違うって……」
その小毬からの報告に、律太は彼女の恋人、及び彼女を心から気に入っている女生徒の顔を連想し……それを問いかけますが、それはあっさり否定されてしまいます
「まぁ、外部犯の可能性が無い訳じゃあ無いが、恐らくは……」
「犯人は彩井の生徒、と考えてるんですか？」
しかし、律太は小毬の言葉に、この件の犯人を、彩井学園の生徒と予想します
「先輩、流石にそれは無いんじゃ……？」
「だがな、マツリよ…… いくら酔っぱらいと言っても、ひだまり壮まで下着を盗みに来るような、リスキーな真似をする奴がいると思うか？」
『…………』
その律太の予想に、生徒会役員達はそれを否定したくなりますが…… 次の律太の一言に、その面子と小毬は、色々と複雑な表情になってしまうのでした
ひだまりメイドラプソディー！外伝 生徒会役員の日常！ 第二十六話 泥棒？
「成程…… だから、俺達が警備に呼び出されたわけですね？」
「すまんが、頼めるか？」
そんなこんなで数時間後…… 律太によって呼び出された透夜が、同じく呼び出された稟や貴明を代表して、その現状を確認します
「一応確認するが、お前らが犯人じゃあ無いな？」
「勿論です 俺も稟も貴明も、相手を選ぶ権利がありますからね」
「……なんと言うか、それはそれで複雑……」
そして、その律太の確認に対する透夜の答えに、小毬は何とも言い難い表情になってしまいます
「っと、一応言っておくが、お前に魅力が無い、とは言ってないからな？」
「お前の場合は蘇芳、土見の場合は芙蓉、河野の場合は柚原のをパクるから、と言いたいんだろ？」
「と、いう事だ」
「あ、そっか」
そんな小毬の表情に対する、透夜の答えと、その律太の言葉に、今度は別の意味で微妙な、それでいて納得したような表情になってしまいます
「それはともかく、盗まれたのは、昨日の夜……って訳だが、神北よ……」
「何？」
「つまりは洗濯したのを、干してた、ってことでいいんだな？」
「う、うん」
その小毬の顔の変化を無視し、透夜はとりあえずの現状の確認を問いかけます
「お前のルームメイト……笹瀬川も被害にあってるのか？」
「そーなんだよー……」
「私がどうかしまして？」
そんな中、噂をすれば影……と言うべきか
話に上がっていた、佐々美が現れます
「ああ、どーもお前と神北の下着が盗まれたんだと」
「……は？」
そして、その問いに対する律太の答えに、佐々美は一瞬何を言われたかわからない、と言う表情になってしまいます
「あぁ、昨日のあれでしたら、今朝全て私が片づけてましてよ？」
「ふぇ？」
直後、その意味を理解した佐々美の答えに、今度は小毬が何を言われたのか分からない、と言う物になります
「……と、言うと？」
「つまり、神北の誤解、という事になるな」
そんな小毬の表情と同じ物になっていた稟が、何とか口にした言葉に、律太が何とか言葉にすることに成功します
「つまりは、だ…… 神北が朝寝てる間……つまり、笹瀬川が部活の朝練の前に、洗濯物をすべて取り込んでいた、という訳だ」
「神北……一応もう一つ確認するが、下着以外の被害は？」
「………………………………」
そして、律太の状況説明の後を引っさらうかの如き透夜の一言に、小毬が熟考した後……
彼女のまるで納得したかのような大声が、周りに響き渡りました……
そんなこんなでそれから数日間…… 恋人もちの女子生徒に、下着窃盗の被害が相次いだが……その被害を訴える者は、誰一人とて、いませんでいた、とさ……
次回に続く
あとがき
という訳で、今回はコマリンの誤解編でした このオチを予想できた人、手ぇ上げろ！（マテ
流石に下着ドロ（窃盗犯全部にいえるけど）は、年末年始だけに現れる、という訳じゃあない、とは思いますが、とりあえず防犯はしっかりしなきゃダメですね（ぁ
てか、流石に酔っぱらいが盗みとかするんだろうか……？とかも思いましたが、まぁ細かいことは気にしちゃダメですね（ォィ
次回は……今の所未定です いい加減本編も更新したいし……