プリムラ云々のトラブルがなんとか解決し、そのお祝い云々における珍妙な事件も終わり……
 それからは、特に凄いトラブルが起きる訳でも無く、皆が一様に、だけど真面目に学園生活を送っていました

「マツリ、久寿川、部長の引き継ぎの書類を持って来たんだが、確認を頼む」
「あ、はい 今すぐに!」

 そしてもう一息で11月も終わり、雪と寒さが支配する冬の季節の匂いを感じられるその日……
 生徒会では、普段の業務と共に、プリムラの一件で遅れに遅れた、各部活の部長引き継ぎの処理に追われまくっていました

「おう、お前ら やっぱ大変そうだな」
「内藤先輩!」

 そして、そんな生徒会の様子を見に、律太が現れ、そんな彼に、彼女達も安堵した様な表情になってしまいます

「おいおい、お前ら…… 俺がここに来たからって、手伝いに来てくれると思ってねーか?」
『え……』

 そんな彼女たちの態度に、律太は多少呆れを混じった表情で窘めますが……
 多少なりとも律太の援軍を期待していただけに、皆一様に残念な表情になってしまいます

「はっはっは! 冗談だ冗談! 上野や柴田たちが捕まんなかったから、俺一人しか来れんかったが、それで良いなら、な」

 そんな彼女たちの表情に、律太は大笑いしながら、近くにいる智代の肩を全力で叩きながらも、手伝いを申し出ます
 その律太の態度に、みな一様にホッと胸をなでおろすのでした……


 ひだまりメイドラプソディー!外伝 生徒会役員の日常! 第二十話 引き継ぎ!


「んじゃ、美術部は栗原、か…… 成程、納得だ」
「人数が多いのに、部長向きなのが他にいませんからね、ウチは 強いて言うなら、ゆのや空閑あたりなんですが……」
「あの二人は、どっちかって言うと、性格上副部長向きかもなぁ」

 そして、律太も加えた生徒会役員達は、仕事の続きをしますが…… 当の律太は、先程マツリが須尭や魚住から受け取った引き継ぎ書を眺め、のんびりとくつろいでいます

「只今帰りました〜」
「おう、小牧ぃ なずなの所か?」
「はい! とりあえず副部長だけ決まったので、引き継ぎの書類はもらえませんでしたが……」
「そうか ま、プリムラの件の一番の被害は連中だろうしな 暫く待ってやれよ?」
「……はい……」

 そんな時、愛佳が生徒会室に帰って来て、その外出の目的……彼女が所属する料理研究部の引き継ぎ書類の受け取りの結果を報告したのですが……
 やはりプリムラの問題が尾を引いているらしく、その原因の片割れに父親が仕えているマツリは、居た堪れなさそうに生徒会室の片隅に体育座りをしてしまいます

「それはともかくとして、お前ら、次の会長はどーすんだ?」

 そんなマツリの様子を無視し、律太はささらの方を向きつつ問いかけます
 律太は今現在の生徒会の状況から、さすがにまだ決まっていない、とも思ってましたが、ささらの表情は、ある程度のプランを感じさせる表情を見せます

「会長は坂上さん、副会長は曽我部さんで行こうと思ってます」
「なるほど…… 風紀委員は二木がなったってーし、これが一番ベタか……」

 そして、その律太が持ったイメージ通りに、ささらは即答し、その答えに律太も納得します
 そして律太が納得したように、ささら、及びマツリ以外の生徒会役員達も、皆一様に納得した表情になっています

「だが…… 済まんが、その人事、逆にしてくれねーか?」
「えぇ!? どーしてですか!?」

 しかし、直後の律太の唐突な発言に、皆心からの驚愕の表情を浮かべてしまいます

「いや、なぁ…… 曽我部に関する妙な噂を聞いてだな……」
「噂、ですか?」
「オウよ」
「いや、この前の文化祭の軽音部のトラブル、あったろ? そん時に秋山のファンクラブができたとかなんとか……」

 そして、その理由をいいますが…… その理由に、皆意外すぎる故に、その身を固くしてしまいます

「……いやいや、先輩? その程度のことで、曽我部さんを副会長でなく……」
「そのファンクラブの会長が、曽我部という噂があったら、マツリはどー思う?」

 そんな律太の言葉に、マツリは反論しますが…… 直後の律太の言葉に、当の曽我部は、その場にいた皆から視線を外します

「曽我部、お前……っ!」
「だ、だぁってぇ! ねぇっ!?」
「言い訳無用」

 そんな曽我部のリアクションに、智代は席から立って責めようとし、それでも言い訳を続けようとする曽我部に、律太はそれをあっさりと遮ります

「まぁ、あんまり心配する必要はないと思うが…… 状況が状況だ 来週から一年間、紅女子を生徒会の顧問を頼むわ」
「せ、せんぱぁい! 私が何か犯罪まがいのことをする、って思ってるんですか? この目が何かする、って目ですか!?」

 そして、直後の律太のセリフに、曽我部は彼に泣き落としを慣行しますが……

「そういう事をいう奴に限って、トラブルを起こすモンだ まぁ、信用してほしかったら、秋山のことばかり考えずに、生徒会役員らしい行動をするんだな」
「うー……はい……」

 そして、最終的に曽我部は生徒会会長になることを了承する羽目になってしまったのでした……

 そんなこんなで数日後……

「澪…… 戻ってこーい」
「まぁ、会長に指名したし、暇じゃあないはずだ……」
「澪ちゃん、凄いねー」

 律他によって、ファンクラブの話を聞かされた澪は、学園祭の時を思い出し、真っ白になって燃え尽き……
 それでも唯は、何時もの如きのほほんとした笑顔を浮かべるのでした……

 次回に続く

 あとがき
 というわけで、生徒会における引き継ぎも終了となりました
 今回のメインは、けいおん!の曽我部先輩となるんでしょうかね? 原作の扱いは良いんだか悪いんだかわか無かったりしますが
 んで、原作にもあった、澪のファンクラブ云々は今回、当の本人あっさり暴露……という方向に ま、澪には悪いですけどね(マテ
 まぁ、和や智代の苦労が増えそうな気もしますが…… こんなんでいいんだよね?

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