「って、ミヤスコ先輩? もう一度説明してくれませんか?」
律太達が、(ある意味で)混沌と化していた酒盛りを、無理矢理中止させてから、十分……
その律太達によって、校内の保健室に(無理矢理)呼び出された、ME科大学部4年、ミヤスコ・ジニア・ブランブレ(医師志望)の診察に、律太は思わず彼女に問いかけます
「ですから、確約してる訳ではありませんが、症状を見る限りじゃ、これは恐らく『中の人シャッフル症候群』になってる、と考えて間違いないですよ?」
そんな律太の言葉に、そのにこやかな笑顔を崩さずに、ミヤスコはもう一度丁寧に答えます
「中の人シャッフル症候群って……」
「頭を強く打ったり、一気にお酒を飲んだりした時に、発生する症状です 記憶喪失程酷くは有りませんが、脳が強いショック状態になってる、と考えてくれて構いませんよ?」
「成程、つまりはあの瑞穂先輩みたいな状況なんですね?」
そして、その病状の説明に、透夜が保健室の片隅を指さすと……
「くるくるまわーる、くるくるまわーる、くるくるまわーる、くるくるまわーる…………」
その場所には、十分前の澪の様に、壁に向かってぶつぶつと歌うように喋る瑞穂の姿が有りました
「……なんと言うか、あんな宮小路の姿を見たくなかったんだが」
「みぬいて、ますよ、そーす、こんにゅう、おみそしるは、すーり、かえたー……」
「神門先輩!?」
「まだ、やってないわよ!? 今回だって、主犯はヒロだし!?」
(つか、宮小路に限らず、後輩にそう思われてる神門って一体……)
そんな瑞穂に、律太は一歩引き腰になりますが、そんな律太を無視する様な瑞穂の発言に、透夜と沙英は同席していたまりやに疑いの眼差しを向けるしかありません
「まぁ神門のこれから云々は後回しにするとして、だ 真面目にコレ、どーするよ?」
しかし、そんなグダグダな状況を引き締めるように、律太は手を叩きつつ、(主に)瑞穂を眺めながらも、しらふな面子に問いかけます
「じゃあ私がディバイントルネードをこの子たちの脳天に……」
「相楽先輩、それは色々ヤバいです」
「それ以前に美佐枝さん、敢えてディバイントルネードですか……」
そんな律太に対し、ミヤスコと一緒に呼び出しをくらった美佐枝の提案に、律太と透夜は汗をたらしつつ、ツッコミをいれることに成功します
「それじゃあ、艦首超重力衝撃砲を発射すれば……」
「キクヱ先生いたんスか」
「それ使ったら俺ら、消し炭になるどころじゃあ無いですって!」
「それ以前に、そんな武器を言ってる時点で……」
そして、次の提案をしようとした、ME科の教師・桜川キクヱの一言は、透夜達が途中で遮る結果に終わってしまうのでした……
ひだまりメイドラプソディー!外伝 生徒会役員の日常! 第十九話 混沌?(後変)
「で? 真面目にどーしますよ、これ?」
「そんなん、お前のライトニングブラストで、ショック療法……」
「さっきのキクヱ先生じゃないですが、これでも消し炭の可能性は有りますよね?」
ともかく、そんなこんなで場を引き締めるように、透夜が手を叩きますが、律太が先ほどとあまり変わらない解決論しか提示出来ません
「ダメ、姉さん播磨さんが……」
「あらあら、八雲? あーさん共々まだ酔ってるのねぇ?」
「ほらー…… 先輩が妙なボケをするから、一ノ瀬先輩の病状がぶり返したじゃないですか……」
「……いや、稟…… 水渕先輩も相当凄い、と言うか酷いと思うぞ?」
そんな律太達の状況とは関係ないものの、ついそれを疑いたくなるぐらいの丁度いいタイミングで、ことみと水渕の二人が楽しそうに大声をあげています
「てゆーか? 驚天動地?」
「一ノ瀬先輩、本当は酔って無いでしょう?」
「いやー…… 酒臭いから、相当酔ってると思うぞ?」
そして、そんな状況にため息を付いてしまう透夜の肩を優しく叩きながら、ことみが呟きますが……その行動に、透夜はつい頭を抱えたくなってしまいます
「切り捨てぇ…… ごめえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!」
「あ?」
そんな状況の中、唐突に転機が訪れます
保健室にそんな叫び声が上がったかと思いきや、透夜の前にいたことみが、前のめりになってブッ倒れたのです!
透夜から見て、ことみの後ろから現れたのは……
「………………………………………岡崎先輩?」
「敢えて言おう……免許が有ると言った!」
「……岡崎先輩も酔ってますね? はい、酔ってますね」
そう、ことみがブッ倒れた原因は、彼女の後ろにいた朋也でありました!
彼の手には、何処から持って来たのか、角材が握られており、それでことみを殴った物と思われます
「まぁ、しょうがないですね 今回の岡崎先輩程乱暴には出来ませんが、眠らすことにしましょ」
「だな ……プリムラ、たのむわ」
「……なんか釈然とはしないけど…… しょうが無いよね なずなちゃん、手伝ってー!」
そんな朋也からその角材を奪い取り、ため息交じりに、その朋也の姿から思いついた策を律太と稟に伝えます
そして、律太も透夜の策に頷き、プリムラに頼むのでした……
次回に続く
おまけ
「そー言や稟、中の人のいない俺や内藤先輩はともかくとして、なんでお前が酔って無いの? プリムラや野崎はしょーがないとして」
「そりゃあ、俺が一意専心とか言っても、そんなに面白くないからだろ?」
「いや、アニメ版じゃなくて、ドラマCD版で行けよ……」
「風見、それ以上は止めとけ……」
おまけも終わり
あとがき
と言う訳で、後変も終了です 前回言い忘れてましたが、コレは誤字では無く、わざとやってます
出来ればオチとしては、水渕が魔法で酔ってる人みんな眠らせて、らきすたのかがみと同じ事を言わせようとしました(声優が同じ)が、こっちの方がやりやすかったので(笑)
ともかく、ちゃっかり聖霊機ライブレードからミヤスコが、あっちこっちからキクヱ先生がちょっとだけ出ちゃってますが、前回同様元ネタを〜
くるくるまわーる〜(瑞穂の台詞) |
アニメ「スクールランブル」OPの「すくらんぶる」の歌詞 |
見抜いてますよ〜(瑞穂の台詞) |
アニメ「GA 〜芸術科アートデザインクラス〜」EDの一つ「Coloring palets 〜ナミコいろ〜」の歌詞 |
ディバイントルネード(美佐枝の台詞) |
アニメ「聖闘士星矢Ω」のヒロインの片割れ・ユナの必殺技 |
艦首超重力衝撃砲(キクヱの台詞) |
ゲーム「スーパーロボット大戦OGs」の味方艦・ヒリュウ改の最強武器 |
ダメ、姉さん……播磨さんが……(ことみの台詞) |
アニメ「スクールランブル」の塚本八雲の台詞 |
あらあら、八雲?(水渕の台詞) |
ポジションとしては、アニメ「スクールランブル」主人公・塚本天満 |
てゆーか? 驚天動地?(ことみの台詞) | アニメ「ケロロ軍曹」のキャラ・アンゴルモアの台詞 やはり中の人がことみと同じ こちらも小説「くらなど vol.1」にて、ことみが言っている |
切り捨てぇ…… ごめえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!! 敢えて言おう! 免許が有ると言った! (全て朋也の台詞) |
アニメ「機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン」のキャラ・ミスターブシドーの台詞 中の人が朋也(アニメ版)と同じ中村悠一さん |
一意専心(稟の台詞) |
ゲーム「スーパーロボット大戦シリーズ」に出てくる、ブルックリン・ラックフィールドの台詞 |