「全く……何処から何処をどう突っ込めば良いのやら……」
「はい、返す言葉もありません……」

 体温計に記されていた数字に目を落とし、律太は面前にいる女生徒……瑠璃・マツリに対し、心底……心の底から呆れたような声を律太は上げます
 なずなは、その律太の手にあった体温計を眺めると、そこには40.5の数字が見えました
 ……無論、なずな自身が立っている場所からその場は少々遠いので、その数字なのかどうかは、少々自信が無いのも事実なのですが

「ともかく、これで気が済んだろ? だからちゃんと休みなさい」
「はい……すいません、先輩……結局先輩を失望させる結果となってしまい……」
「何を言ってるんだ、マツリよ……お前さんなりの努力の結果だろう? 俺は満足だ」

 俯き、謝るマツリに、律太は慰めるようにマツリの方に、優しく手を置きます
 そんな律太に同意するように、その場にいた人間達……なずなや透夜、そして生徒会役員達……は、彼に同意するように顔を縦に動かします

「何か間違った方向に猪突猛進に突き進んでゆく様は、実にお前さんらしくて面白かったしな……コレだけ笑わせてもらえば、もう十分」
((((鬼だ!?))))

 なずな達の立ち位置からは、律太の表情を伺い知ることは出来ませんが……律太の表情は、絶対に意地の悪い、そして笑いをこらえている様な表情であるのは、確信していたのでした


 ひだまりメイドラプソディー!外伝 生徒会役員の日常! 第十五話 病気!(後編)


「でも、悔しいです……私とささらさんが生徒会に入って二年半……この様な日は無かったのに……」
「なんだお前……そんな事を気にしていたのか?」

 律太に渡された毛布に体に掛けつつ、マツリは本当に悔しそうな表情で呟きます
 そんなマツリに、律太は少々呆れた様な顔になりますが、不意に真面目な表情になります

「本当に馬鹿だな、お前は……お前が二年半前のあの日、久寿川と共に生徒会役員になったあの日から、俺達生徒会役員の魂は常に共にある……目に見える物なんざ、問題じゃないさ」
「……会長……内藤先輩……!」
「……さんっざん後輩をネタに笑いを取ってた人のセリフじゃねーな、おい」

 そして、マツリの手を取りつつ、そんな真面目な顔で言った言葉は、マツリの気持ちを病気の治癒に向かわせる物に変えるには、十分な物でした
 ……透夜の言う通り、少し前の発言と照らし合わせて、冷静に考えたら、少々(かなり?)説得力に欠ける発言であるのも事実なのですが……
 そんな時でした 律太の後ろに控えていた生徒会役員の一人……愛佳の体がゆっくりと倒れて行き……

「ま、愛佳先輩!?」

 最初に気付いたなずなが、叫び声を上げた時には、最早手遅れ……愛佳はその身を地面にゆだねていたのです

「す、凄い熱……流石に瑠璃さん程じゃないと思いますが……」

 そして、その額に手を当てたささらが、その原因を簡潔に述べ……その場にいた面子を青ざめさせてしまいます

「あの……先輩? なんか手が……熱くないですか?」
「? そう?」

 そんな中、律太に手を取られていたマツリは、とある違和感を感じます

「ああー……そういや、今朝から少しばかり頭が重くてな……測ってみたら、48度くらいあったな……」
「り……ッ!」
「言われて見れば、少し寒いな……」
「重体じゃないですかぁ―――!」

 そして、そんなマツリに対する律太の答えに、なずなは絶句をし、透夜達も表情を青ざめ、生徒会役員たちにも動揺どころか、混乱が走ります

「フ……フフフ……やはり我ら生徒会役員は一心同体だな……」
「律太さん、笑い事じゃないよぅ!」
「ま、真鍋! ベッドの用意! いや、ここは病院だ!」

 そして……保健室は阿鼻叫喚の地獄絵図となり……律太達一部生徒会役員は、問答無用に病院に担ぎ込まれることとなりました……とさ

 次回に続く

 あとがき
 と言う訳で、波乱の後半戦、いかがだったでしょうか? なんともカオスな展開だったのですが…… 勿論、元ネタははやて×ブレードの第三巻です
 今回律太が出した熱のレベルは、確実に致死量の可能性があるんでしょうが……こればっかりは(半分)ギャグと思って受け止めてくれれば幸いです
 そして、カオス展開故に気になるのが、REDさんのコメント……はてさて、どうなる事やら……(ぉぃ
 あ、一応言っておきますが、似た時期に野球編がありますが、この時期より結構先なので、ご安心を〜

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