夏休みに入ってから、暫く経ったある日……
 帰省、合宿、課外授業と様々な事を終え、そろそろ一部生徒が残った宿題の処理に追われ始めたある日のことでした

「あれ……?」
「乃莉ちゃん、どうしたの?」
「いや、あそこ……」

 一緒に夏休みの宿題を終わらせるために、学校の図書室に向かおうとしていたなずなと乃莉でしたが、途中で物々しい雰囲気を持つ集団を見つけました
 その中には、律太や透夜だけでなく、雅やリリの姿も有り、皆一様にこれから戦いに挑もうとしている雰囲気だったのです

「何をするつもりなんだろう……」
「どうも鍛錬場に行く見たいだけど……」
「なんだ、君たちは知らないのか? これからあそこにいる面子を二つに分けて、団体戦の模擬戦をするんだ」

 その様子に首を傾げる二人でしたが、いつの間にか現れた来ヶ谷が、事情を説明してくれました

「それで、なずな君……君の大事な人もいる訳だが、見に行ってみるか?」

 来ヶ谷の問いに、なずなは一秒と掛らずに、彼女の問いに頷くのでした


 ひだまりメイドラプソディー!外伝 生徒会役員の日常! 第十話 団体戦!(前半)


 所変わって鍛錬場……
 律太達が模擬戦をする、と言う話を聞きつけた者達が沢山集まり、その中心を注目しつつ、アレだコレだと騒いでいます
 その中心には、律太を中心とした面子と、透夜を中心とした面子の二つに分かれています

「お集まりの紳士淑女の皆さま方! 今日は俺の為に集まってくれて、ありがとう〜!」
「うっさい! 黙れ!」
「ゲフっ……」
「……観客どもを集めてくれるのは嬉しいがアレは流石に無いな……」
「……全くですね……」

 そんな中、恭介が集まった観客の前で騒ぎ出し、それを妹・鈴に蹴られる姿を見て、律太達は呆れた様な表情になってしまいます

「それはそれとして、だ」

 しかし、何時までも恭介を眺める訳にもいかず、律太は近くにいる者の注意を引きつけます

「相手は風見が中心としたチームだ……直情型の井ノ原やフェインがいるからと言って、あんまり油断しない方が良い」
「確かにねぇ……後列は大道さんと草壁さんになるでしょうし……どう考えてもカウンターを中心とした戦術で来るでしょうね」

 そして、律太の一言に、リリは透夜達のいる方向に視線を向けます
 その中の二人……MG科一年の雅と、同じく二年……草壁優季の姿を見据え、この二人がどう来るのかを思案します

「それで、だ……宮小路と雪花は、前衛に立って、井ノ原とフェインを撃破してくれ」
「了解です」
「了解」

 そして律太は、周りの面子に、どう行動するのか指示を始めます

「マツリは右サイドに、向阪は左サイドに立ってくれ リリと十条は、勿論後列だ」
「分かりました」
「分かったわ」
「りょーかい!」
「分かりましたわ」
「そろそろ始めようと思います! 各陣営、準備を始めてください!」

 お互いの状況を眺めつつ、作戦会議が終わったと感じたのか、理樹が恭介の介抱を止めて、立ちあがって宣言します

「開始します!」
「天空より響く行軍歌! 大地を踏みしめる者に届け! パッション!!」
「マナよ、我に従え! 雷の雄々しき力を我らに与えよ! エレクトリック!!」
「マナよ、我に従え……大空舞う翼を、我らに与えよ! ウィング!!」

 そしてその数分後の理樹の一言で、律太と透夜が魔法の詠唱を開始しましたが、直後、律太だけでなく、観客全ての目が大きく見開かれます
 透夜陣営の後列左サイドに立っている優季が、その場にいた皆が予想外の魔法を使い、その与えられし効果を与えられた稟は、そのまま上空に飛翔して、目の前にいるマツリに突撃して言ったのです!

「意外な手を使ってくる……! だが、風見の魔法の影響は受けてない以上、あまり心配する必要も無し、か……向阪!宮沢の動きに気を付けろ!」
「了解です!」

 しかし、透夜の使う魔法の影響下に無いのを確認した律太は、逆サイドにいる環に指示を出します

「リリ! 十条! 小技を出しつつ、何時でも大きいのを準備頼む!」
「了解!」
「分かりました!」
「雪花と宮小路はそのままゴリ押し!マツリは逆に土見をそのまま抑え込め!」
「分かったわ」
「「了解です!」」
「マナよ、我らの刃に雷の力を与えよ!サンダーセイバー!」
「な……ッ!」

 指示を終了させ、使用しているパッションの効果をさらに高めるために、魔力をさらに強めようと思った矢先、律太の目が見開かれます
 何と、透夜がエレクトリックの他に、もう一つ……腕や武器に特定属性を与える、セイバー系と呼ばれる魔法を使ったからです

「成程、エレクトリックもそうそう高いレベルの魔法ではないし、セイバーなら楽に使える上に、効果も低くない……しかも属性も同じだから、一緒に使えない訳じゃないな……」
「律太さん……」
「心配かね?」
「いっ、いえ、そんな……」

 その様子を眺めていたなずなは、来ヶ谷の言葉に思わずつぶやいてしまいますが、それを冷やかされて、顔を赤くして俯いてしまいます

「ともかく、しっかり見ておくと良い……風見君の策と、それをどう内藤殿が打ち破るかを」
「……はい!」

 そんななずなの態度に満足した来ヶ谷は、不意に楽しそうな、それでいて真剣な表情でなずなに語ります
 その来ヶ谷の表情に、なずなも真剣な表情で頷くのでした

 次回に続く

 あとがき
 と言う事で、今回はバトル回でした 時期としては、本編の遺跡編の数日後、と言った所です
 ちなみにコレは魔法少女リリカルなのはVividの2巻後半から3巻前半を思いっきり参考にさせてもらってます
 そして、参考までにお互いのポジションを紹介〜
 チーム律太(オリジナル)は、前衛に雪花(スケッチブック)と瑞穂(おとボク)、律太のサイドにマツリ(SHUFFLEシリーズ)と環(TH2)、そして後列にリリ(アニメひだまり)と紫苑(おとボク)
 チーム透夜(ライブレード)は、前衛に真人(リトバス)とフェイン(ライブレード)、透夜のサイドに稟(SHUFFLEシリーズ)と謙吾(リトバス)、そして後列にキョージュ(GA)と優季(TH2)となっておりますの
 出来れば、次で終了としたい所でありますが……はてさて、どーなる事やら……
 あ、そー言えば、ニコニコ大百科で読んだんですが、瑞穂って原作「処女はお姉さまに恋してる」の人気投票でヒロイン達を抑えて1位を取った事があるそうですね ……男のくせに(笑)

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