「うーむむ…… うーむむむむむ……」
「内藤先輩…… 心配なのはわかりますが……」

 そんなこんなで数日…… 聖地では、武闘大会開催を数日後に迎えてるため、国中が浮かれ気分の中で、なずなの両親がなずなに会うためにやってきて……
 そして、その両親の前で、なずながこの一年の集大成を披露するため、一人で料理をすることになったのですが……
 とりあえずのトラブルが有った時の回避の為に、料理研究部の四人と、透夜と律太、そしてゆのとヒロの四人が、その準備室に一堂に籠っているのですが……
 他の面子はウノで遊んでる中、律太はなずなが心配なのか、あちこちフラフラして透夜達を呆れの表情にしてしまいます

「む…… ゆのストップ……もといウノストップだ」
「風見君…… この状況でよくボケれるね……」
「こんな状況だからこそ、ボケずにはいられようか……」

 そんな中、透夜は隣にいる小毬から一枚カードを引き、そのカードと手に持ってたカードを前面に出しつつも、冗談をカマし……
 その透夜に、ゆのたちはちょっとだけ呆れの表情を深めますが……

「あ、あのっ!」
「あ、なずな! 大丈夫か? 怪我してないか!?」
「先輩、落ち着いて!」
「しばらく黙っててください」

 そんな時、準備室になずなが困ったような表情で入ってきますが……
 律太はもう世界の終りのような表情でなずなに駆け寄り、そんな律太に透夜達は多少冷たい表情でそれにストップをかけるのでした……


  ひだまりメイドラプソディー 第七十八話 集大成!(後編)



「ふぅむ……成程ね」
「ど、どうですか?」

 そんなこんなで数分後……窯の中を覗き込む透夜に対して、なずなは不安そうな表情で彼に問いかけます

「炎属性のマナに関しては特に問題は見受けられない 佳澄美、そっちはどうだ?」
「うん、水の量をちょっと少なくし過ぎたんだと思う ……早く気付いたし、方法はあるよ〜」

 その窯の上に置かれてる、その物体…… 中身に、色々と美味しい物を一歩通り過ぎた米を入れてるおひつの中身を確認している佳澄美達は互いに頷きあいます

「それじゃ、これに水を追加して、雑炊にしましょうか リムちゃんと風ちゃんも手伝って!」
「あっ! ありがとうございます!」

 とりあえず、最大の問題点に対する解決案も出て、準備に取り掛かるゆのや佳澄美達に対して、なずなは只頭を下げることしかできませんでした


「っし! 無事! しゅーりょ――っッ!!」
「……先輩、アンタ何もやってないでしょ」
「あらあらまぁまぁ」

 そしてさらに数分…… 律太となずなの両親の見守る中、ゆのや小毬に手伝ってもらいながら、なずなは何とか目的の料理を作ることを成功します

「だが、なずなも良い友達を持ったもんだ……」
「そうですね、お父さん……」

 そんな中での、律太と透夜の漫才をスルーしつつ、なずなの両親は、嬉しそうな表情で目の前の娘を眺めます

「律太君もいることだし、これなら何も心配する必要は無さそうだな」
「…………元より何も心配してなかったような気もします」
「ともかく、これで後は闘技……ひっく」
「……? しゃっくり?」
「いや、どうも微妙に違うような……」

 そして、なずな父は透夜と遊んでいた律太に向き直り、そこに歩み寄ろうとしますが……
 唐突にその身をわずかに震わせ、顔も徐々に赤らめて行きます

「そう、これで後は、ぶたのしっぽと言う飲食店を……」
「豚の尻尾!?」
「お父さん、わけわからないよッ!」
「なーちゃん、面白いお父さんだねー」

 そしてその直後の一言に、小毬以外のその場の面々を驚かせます

「あらお父さん、私と大海の力を取り戻す約束をしてくれたのでは?」
「む、そうだったかな?」
「……あの、先輩…… この症状、俺知ってるような気がします」
「……私も……」
「……皆までいうなっ! コレは多分……」

 そして、直後のなずな母の一言に、その場にいた皆は、その原因に思い至ります

「やっぱこれかっ! 神北っ! お前、発注ミスしただろっ!」
「ふぇ……?」

 その中で、律太はあちこちに視線を巡らせ…… ある一つの瓶を見つけ、それを小毬に見せます

「これ…… まさかっ!」
「……多分な」
「まぁ、神北らしいと言えば、神北らしいんだけどな」

 そう…… それは、小毬が食用酒と間違えて生徒会に発注した、お酒だったのです……!

「じゃあ、やっぱりお父さんとお母さんは……」
「中の人シャッフル症候群だ……!」
「ふ、ふぇぇぇぇえええ〜〜〜〜! ご、ごめんなさい〜〜〜〜〜〜!」

 そして、なずなが完璧に理解したその瞬間、小毬はなずなに頭を下げるのでした……

 ちなみに、なずなの両親は、あんまり強くお酒が入ってなかったため、長くその状態になかったのが、ある意味幸いでした……

 次回に続く

 あとがき
 えー、なんというか…… 何とも締まらないオチになってしまった、と言うか…… ついやりたくなったんですよ
 まぁ、原作と違って、なずなが料理できるようになってるので、原作通りのオチを作るのも無理だった、と言う部分もありましたので、と言い訳させてもらいます
 ともかく、今回の元ネタですが、なずな父がドキドキプリキュアの主人公の父親、そしてなずな母がヴァンガード第二期のチームドレッドノートの双子の妹の方です

 次回の本編は…… まぁ、ネタ次第ですね ホワイトデーや、四月馬鹿は、外伝の方に行くかもしれません

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