「とりあえず、このままほおったらかしにするわけにもいかないし……」
「全くなのですよ〜」

 冬休みも無事終わり、三学期の始業式のその日……校長の長い話も特に脱落者が出ず、これと言った問題も出てこずに終了し……
 なずな達ME科1年は冬休みの宿題の未提出者もおらず、無事に終わった放課後……
 なずなの他に、唯、紬、風、奏の5人は、一人のメガネの少女を眺めていました

「え、えっと……如月ちゃん?」
「はい、なんですか、奏ちゃん?」

 そんなメガネの少女……如月に対し、その中の代表として、奏が声を掛け、その如月の返事の数秒が経ったその瞬間でした

「……ふぇ……」
「なんですかなんですかなんですか!」

 その如月のリアクションに、奏が涙目になって風の陰に隠れ…… そんな奏の態度に、如月はうろたえ……

「如月……」
「だからなんなんですかっ!」
「とりあえず風ちゃん……落ち着こうよ……」

 そしてその奏を後ろに庇いつつ、風が如月を睨みつつ、彼女をすぐに殴りかかる体制に入りますが、それはなずなにストップをかけられるのでした


  ひだまりメイドラプソディー 第七十三話 視力!


「知ってた? 如月ちゃん、最近、ずっと睨み目になってたんだよ?」
「そ、そうだったんですか?」

 そんなこんなで数分後、なずなから事情を説明されますが、如月はそれを信じられないような態度に出ますが……

「証人」
「……してたみたいですね」

 その如月に対し、彼女に対して構えを解こうとせずに、自身の後ろに隠れる奏を指さしする風に、如月は只頭を下げる以外の行動は出来ませんでした

「それで、いい加減聞かなきゃ、って思ったんだけど……」
「いえ、悩みが無いわけじゃないんですが、確かに最近目も疲れてるのも確かですし……」
「目?」

 その風を制しつつ、なずなはその原因を問いかけますが、その答えは何とも微妙に要領を得ないものでした

「それって、もしかしてメガネがあってない、とかじゃないの?」
「ま、まさかそんなことは……」
「じゃあ、あっちにいる吉川さんが持ってる物は何?」

 そして、その答えに対し、唯がその場にいた皆の気持ちを(あくまでも)普段通りの言動をし、そして如月はそれを否定しますが……
 その如月の答えに、なずなは自分たちから一歩遠い場所でこのみや空と一緒にお菓子を食べながらも、如月を心配そうに眺める、吉川瑞希を指さします

「な、何言ってるんですが、なずなちゃん! あれは教科書じゃなかったら、なんなんですか?」
「……これからメガネ屋に行こうね、如月ちゃん と言うより、今日始業式だし教科書持ってきてる人いないと思うよ?」

 そして、そのなずなに対し、如月は普段の彼女の性格からは信じられないぐらいに憤慨したように答えますが……
 その答えに対し、なずな達は思わず顔を見合わせて、ため息をつくのでした……


「……眼は大事にしなきゃならんぞ、山口」
「そうよ如ちゃん、魚住君の言う通りよ」

 そんなこんなで、とりあえずなずな達とメガネを換えに行く旨を美術部に報告に行った如月ですが、その直後に水斑と魚住の二人に説教をもらう羽目になってしまいました

「とりあえず如月ちゃん! 今日私が作ったこのマフィンに、このブルーベリーを乗っけて食べてみよう!」
「? 野田ちゃん?」
「なにぃ! マフィンだとぉ!」

 そんな二人を横目に、野田が小さな果物を乗っけたマフィンを手渡し、なずなや如月がその真意を問いかけようとしましたが……
 それを聞いた友兼が、何故か唐突に叫び始めました

「こぉのマフィアめ!」
「……友兼さん?」
「マフィンにかかわってるやつは、みんなマフィアだ!」
「……水斑、今日友兼はどーしてる?」
「友兼君は確か、もう寮に帰ってるはずだけど……」

 そして次の言葉に、なずなと如月はリアクションに困る発言をし始めますが、水斑と魚住は彼女の兄の居場所に思いを馳せます

「ともかく、野田のブルーベリーと言う考えは、恐らく正しいが…… そりゃ高い物じゃなかったか?」
「はい! だから親戚のおじさんが試しに食べてみてくれ、って送ってきたものなんですけど……」

 そんな友兼を、縛り上げて口にガムテープをつけて放置した後、魚住はそのブルーベリーの入手先を問いかけます

「如月ちゃんの事を話せば、もっと送ってくれるはず……」
「え、そんな! ご迷惑じゃあ……」
「大丈夫だよ〜 その人、今50前なんだけど〜」

 その魚住の言葉と、それに同意するなずなに、野田は安心させるような笑顔になった後……

「……一緒になれば」
「嫁げっていうんかい!」
「野田さん、流石に悪ふざけは感心しないわね」

 なんと、ある意味とてつもないことを言い出し、それは水斑や魚住に止められてしまいます

「……そう言えば如月ちゃん、眼もそうだけど、他に悩みがあった、って言ってたけど……?」
「……あぁ!」

 そんな水斑や魚住と野田の(ある意味では)悪ふざけを横目に、なずなは如月が悩んでいることを問いかけると、如月は正に「しまった!」と言わんばかりに表情になってしまいます

「私、クリスマスと年末で色々食べすぎちゃって……」
「……あぁー……」

 そしてその叫び声になずなは驚きますが、直後の如月の説明にいろいろと納得したような表情になってしまいます

「……ねぇ、如月ちゃん…… 最近、遠くを見ることが多くなったんじゃない?」
「え? えぇ、そうですね……」
「野田ちゃん、それがどうしたの?」

 その説明…… ダイエットしていながら、野田の作ったマフィンを食べてしまった事を後悔している如月に、野田は意外な事を問いかけます

「……多分、遠くを見てると視力がよくなる、ってこの前本に書いてあって……」
「……成程、そーいう事なんだ」

 数十分後…… メガネ屋で視力を調べたら、野田の言う通り、如月の視力は上がっていたのでした……

 次回に続く

 あとがき
 という訳で、今回から三学期開始ですが、今回は如月の視力のトラブルとなりました(ぁ
 元ネタはトリコロと言う4コマの真紀子ですね 如月とはメガネ、体重を気にしてる、と言う共通点がある物で(何
 ともかく、次回は……本編は未定ですね 外伝の方で試してみたいバトルアクションもあるし……

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