「ふむ……成程な……」

 プリムラが律の骨折を治して、次の日曜の午前……
 透夜は、親友の稟の訪問を受けてました

「幾らプリムラが成長したからって、コレは唐突な話ですな……」

 ため息交じりに透夜が一言
 その軽い口調とは裏腹に、その声質は暗く、重たい物が有ります

「それで、どうするつもりだ?」
「どうするつもりって……どうもならないと思うんだけど」

 透夜の問いに、稟は只々諦め以外の思いを出せません
 その声と裏腹に、諦めきれない感情が溢れだしそうな印象を受けます

「とりあえず、策が無い訳じゃあない ……準備が出来次第、すぐに実行するぞ」
「……え?」

 透夜の一言に、稟は不思議そうな表情になってしまいます

「なに変な顔をしてるんだ ……手が無い、とは言わせないぞ 去年授業で習った事を思い出せば、すぐになんとかなる方法を思い浮かぶ筈だが?」

 そんな稟に、透夜は不敵な笑顔で答えるのでした……


  ひだまりメイドラプソディー 第五十七話 お別れ…?(前半)


 一方その頃……

「お茶のお代わりは要りますか?」
「あ、お願いします〜」

 なずなや乃莉、唯達は、プリムラに誘われて、喫茶店・ハチポチに出かけていました

「リムにゃん、このケーキ美味しいよ〜 はい、あーん♪」
「あ、あーん」
「こ、こら、唯…… 無理強いするな……」

 その中、唯は出されたケーキをプリムラに差し出し、食べさせてあげようとします
 しかし、そのプリムラの表情は、やや微妙な物であり、律や澪は唯を止めようとしています

(見た感じ、唯ちゃんの行動が嫌だ、って感じの表情じゃない様な気もするけど……)
「なずな?」

 そんな唯達の姿を見て、なずなは溜息一つ…… そのなずなの表情に、乃莉はつい声を掛けてしまいます

「大丈夫?」
「う、うん、大丈夫……」

 その表情に、乃莉は心配をしますが、なずなはつい作り笑いで誤魔化そうとしてしまいます

「もしかして、プリムラの事?」
「……うん……」

 一見、目の前で唯や律達と楽しそうに喋っているプリムラですが、なずなにはその表情に違和感を覚えていました

「リムちゃん、何かあったのかなぁ?」
「さぁ? 流石にプリムラが喋ってくれないと、ねぇ……」
「うん……」

 そう、プリムラの表情には、たまに寂しそうな物に代わっており、なずな達にはそれが気になっていました

「あらあら、そこで内緒のお話ですか?」
「あ、みいこさん」

 しかし、そんなプリムラを覗き見ながら、こそこそ話していると、唐突に表れたみいこに声を掛けられてしまい、なずなと乃莉はしなくても良いのに、驚いてしまいます

「もしかして、何か悪だくみですか?」
「え、え、えっと……このメニューのデラックスジャンボパフェって言うのが、どの位の量か、気になるねーって、なずなと言ってただけです……」
「あらまあ♪」

 そんな二人の態度に、みいこは何かしらの悪意を持ってるの?と笑顔で聞きますが、乃莉はその場の勢いでメニュー表にあったとある商品を指さします
 その乃莉の態度が嬉しかったのか、みいこはもしや、と言わんばかりの嬉しそうな表情になります

「デラックス!? 食べてみたいッ!」
「ちょ、唯、無茶言うなよ!」
「ええ〜 私は興味ありますけど……」

 そんな中、意外にも食いついた唯を諫めようとする律と澪でしたが……紬の鶴の一言により、結局皆で一つ、食べてみよう、と言う事になってしまいました



「まったく、乃莉、唯、それにムギも……お前ら、大変な事を…… うぷッ……」
「だ、だって…… うぅ……」
「た、体重計、暫くは乗りたくないね……」

 そして、数時間後……みいこに乗せられて、結局ハチポチ最強のパフェを注文させられ……なんとかなんとか皆で食べ終わり、ようやく寮に帰る事が出来ました

「それで、リムちゃん……今日はどうして私達を……?」

 そんな中、なんとかパフェのダメージ(?)を抜け切ったなずなが、プリムラがそもそもなずな達を誘った理由を聞くことにしました

「え、えっと……実はね……」

  その声を掛けられた方は、少々言い辛そうな表情になりますが、少しして決意を決めたように口を開きます

「実は…… 今日で、皆とお別れしなきゃいけないことになったの……」

 次回に続く

 あとがき
 と言う訳で、美味しい所で次回に続く、です
 まぁ、オチ(だけ)は大体読めるかもしれませんけど、ね(ぁ
 ま、たまには重い展開も必要〜と言うことで〜(ぁ

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