透夜や稟の紹介で、なずな達がプリムラと知り合った次の日
 なずなと如月は雅や奈三子と一緒に学校を案内することにしました

「で、ここが鍛錬場〜 MG科も魔法剣を使うって人がいるみたいだから、覚えといた方が良いかもね」
「へぇ……MG科で剣を使う人っているんだ〜」
「おお、プリムラ」

 そんななずな達の前に、透夜や稟達が現れます

「学園内を案内してもらってたのか」
「うん! おにーちゃん達は?」
「ああ、紅女史に頼まれて、緑葉と向阪をしごいてた所さ
「みどりばにむかさか……」

 稟の一言に、プリムラは呟きます
 その視線に、緑葉と向阪は、プリムラ程の可愛い女の子に名を知られてるのか、とやや期待の掛った表情になりますが――

「なずなちゃん、如月ちゃん、あの二人はロリコンのド変態だから、近づいちゃダメなんだって」
「な……ッ!」

 なずなと如月に、プリムラがそう言った瞬間、緑葉と雄二は思いっきり心外だと言わんばかりの驚愕の表情を浮かべました


  ひだまりメイドラプソディー 第四十六話 悪評?


「あっはっはっはっはっは! プリムラ!それ最高だ!」
「だ、駄目だよ、風見君……笑っちゃあ……クッ……ププッ……」

 プリムラの一言に透夜は全力で笑い、麻弓はそれを窘めますが、そんな彼女も笑いをこらえるような表情になっています

「と言うよりリムちゃん……何処でそんな話を聞いたの〜?」
「お兄ちゃんがそう言ってた ロリコンってのはロリータコンプレックスの略で、幼い女の子を愛する変な性癖なんでしょ?」
「あっはっはっはっはっは! 稟、お前……凄い事教えてんなぁッ!」
「リムちゃん……それッ……最高……ッ! あっはっはっはっは!」

 シアの質問に、真顔で答えるプリムラでしたが、その一言に透夜と麻美はさらに大声で笑い出します

「稟……お前、よくもまぁ、そう嘘八百を……」
「緑葉様……稟様が嘘を仰ってると……?」

 そんな中、緑葉と雄二の二人は稟に詰め寄ろうとしますが、ネリネの凄まじいオーラに当てられ、お互い抱き合って震えあがります

「まぁ、嘘じゃないのは確かけど、正しく無いのも、まぁ事実さね」

 その二人の状態に、ようやく笑いが止まった透夜が声を上げます
 その透夜に、その場にいた皆がその真意を測るように透夜の顔を見つめます

「緑葉も向阪も、あの子だこの子だと手ぇ出してんだしさぁ……正確には『ロリコンでもある』と評するのが正しくね?」
「成程……透夜! 俺、間違ってたよ!」
「分かれば良いんだ」

 透夜の一言に素直に非を認めた稟に、透夜は大仰に頷きます

「ねぇ、二人とも……もし億が一つでもシアに手を出してみなさい……? その時は、例えネリネに焼き殺されようと、瑠璃さんに切り殺されようと関係ないわ…… 地の果てまでも追いかけて行って、その脳天に剣をつきさして、きっちり柄本まで埋めてぐりぐり掻き回してあげる
 そして腹かっさばいて三枚におろして干物にするのを佳澄美と楓にお願いして、次は首を落として骨を抜くのを透夜にお願いして、『バカで間抜けで意地汚い人間』として子々孫々まで語り継いで、未来永劫ものすごくはずかしい晒し者にしてあげるから、覚悟すると良いわ」
「キキョウちゃん……よくそれだけの言葉を一口に言えたよね……」
「お前……放送部辞めて、演劇部に入れば? 合唱部に来るなら、ネリネやリコリスと一緒に歓迎するぜ?」

 そんな時、透夜の言葉を大真面目に受け止めたキキョウのややドスの利いた一言に、シアと透夜が心の底から関心したような声に相対して、樹と雄二の二人は、稟の後ろに隠れて、全力で震えあがります

「そういやぁ」
「? どうかしたんですか?」

 そんなキキョウに「死んだら子々孫々もないだろう」と言わんばかりの表情の奈三子の肩に手を置きつつ、稟は、ふと思い出すような表情になります

「結構前に、この二人の事を瑠璃さんに『女ったらしの駄目人間』って紹介したんだけど……」
「稟……それもお前の仕業だったんだね……」
「お前……珍しくことごとく情け容赦ないな……正当な評価だけど」

 親友の意外な一面に、透夜は思わず驚きますが、間違ってはいないと、とりあえず話の続きを聞くことにします

「瑠璃さんも、前にコイツがシアやキキョウに手ぇ出すかもって考えて……」

 半殺しの目に合わせて、修正させようとした、とまでの稟の説明は要りませんでした なずな達の表情は、緑葉と雄二には絶対に近づかないようにしよう、と言う顔になっていたのだから

「まぁ、オチとしては、一時不能になってたんだけどな」
「不能って……男性的な意味でですか?」
「ああ、男性的な意味でだ」
「マツリ先輩……アンタすげーよ……いろんな意味で」

 稟の説明に、同じKN科の先輩に呆れる様な感心するような態度の透夜とは裏腹に、奈三子はなずな達の手を取り、その場から下がろうとしました

 数日後……緑葉及び雄二ロリコン説が校内に広がり――この二人のファンの一部を喜ばせたのは、また別の話――

 次回に続く

 あとがき
 真面目な展開だった、前回及び前々回とは一転、今回はカオス展開となってしまいました(笑) ネタ出しは難しいですが、やっぱりこう言う展開の方が良いわ
 次は……どうなる事やら ギャグで行くつもりなんですが……

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