「はぁ〜……思ったより部活って多いんだね〜」
「うん……私もビックリ」

　掲示板に掲載される様々な部活の紹介文の数々……その多さになずなと唯は感嘆の声を上げてしまう

「コレ見てると何処行けばいいか分かんないよ〜」
「でも今月中に決めないとまた和ちゃんにニートになるって言われるよ……？」
「うん、それはイヤだ！……あ……」
「？　どうしたの、唯ちゃん」

　どれにしよう、何にしよう、と悩む二人でしたが、唯は視線をある一点に固定しました
　なずなもその視線を追ってみると……

「けい、おん、ぶ……？」
「うん！軽音部！コレよさそう！」

　そう言って何処かに走りさって行った唯ですが……

「大丈夫かなぁ……？」

　ポスターに書かれた一文「バンドやりませんか　ギタリスト募集」と言う部分に不安を覚えるなずなでしたが……

「まぁ、和ちゃんがフォローしてくれる……よね？」

　妙に他力本願かなぁ……？とちょっと不安に思いながらも、自分が入る部活を探すことにします　そして……

「憧れのあの人に美味しい手料理を……料理研究部……」

　その一文に、なずなは自分の気持ちが固まって行くのを実感しました


　ひだまりメイドラプソディー！！　第九話　部活！（後編）


「失礼しま〜「まままままままままままままぁ♪」ふぇ……」

　一声かけて家庭科室に入ろうとするなずなでしたが、妙な声に遮られて出鼻をくじかれる結果となり、つい涙目になってしまいます

「ま〜たカレハが旅立ってっちゃったよ……」
「どうしましょう……？」

　何が起きたのか気にならない訳にもいかず、中を覗いてみると、綺麗な金色の髪で、人間とは違った耳をした「カレハ」と呼ばれたメイド服の女性が正に「旅立っている」表情をしているのが真っ先に見つかります
　その近くに４人の女子生徒が何とか元に戻そうと色々思案してる所のようです

（なんか、宮子先輩とは違う意味で変わった人だな……）

「カレハ」と呼ばれてる女生徒に、なずなはさりげなく失礼な事を考えてしまいます

「あれ？あなた、どうしたの？」
「え！？え、えっと、えっと……」

　そんな中なずなを黒髪で眼鏡でメイド服の女生徒がなずなを発見します

「きっと入部希望の方ですわ」
「あ、カレハが復活した」

　いつの間にか復活していたカレハと呼ばれる女生徒が、あっさり言ってのける　「そうですわよね？」と優しい視線でカレハが聞くと、なずなは思わずコクコクと頷いてしまっていました

「じゃあ、名前を教えてくれるかな？　ボクは部長でＴＨ科３年の時雨亜紗って言うんだ♪」
「あ、なずなです、美空なずな……」
「な〜ちゃんっていうんだ〜♪　可愛い名前だね〜　私はＭＥ科２年の神北小毬って言うんだよ〜　よろしくね〜」
「同じく芙蓉（ふよう）楓っていいます　宜しくお願いしますね」
「私も同じＭＥ科の蘇芳（すおう）佳澄美（かすみ）よ　よろしくね、なずなちゃん」
「副部長のカレハって言いますの　なずなさん、宜しくですわ♪」
「ボク達以外に、ＭＥ科二年の小牧愛佳って言う子がいるんだけど、生徒会との兼任だから何時もこれる訳じゃないんだけど、宜しくね？」
「は、はい、宜しくお願いします……それで……」

　簡単に挨拶も終わると、なずなは少しだけ言いづらそうな表情になる

「あ、あの、私、今までそんなに料理とかそういうの、やった事が無くて……」
「だーいじょーぶだよー」

　俯くなずなに、優しく、そしてのんびりと声をかけたのは小毬だった

「誰だって皆やった事が無いのです　だから練習をするのですよ〜　だから、な〜ちゃんも、きっと大丈夫だよ〜」
「小毬先輩……」
「ままままままままあまあまあまあまあまあ♪」
「あ、また妙なスイッチが入っちゃった……」
「だ、大丈夫なんですか？」
「うん、何時もの事だから……」
「小毬ちゃんとなずなちゃんが仲良くて変な想像をしちゃったみたいです……」
「暫くそっとしててあげれば大丈夫だと思うよ？」
「は、はぁ……」

　いきなり変な方向に走るカレハと、それを何とかしようとする先輩達に、なずなは本当にこの部に入って良い物か、とちょっとだけ悩むのでした


「へぇ、なずなちゃん、料理研究部に入ったんだ〜」
「は、はい！」
「なずなちんの手料理、楽しみだ〜！」
「もう、宮子先輩、気が早過ぎですよ〜　ねぇ？」
「う、うん……まだ何も教えてもらってないし……」
「そー言えば唯は軽音部に入ったんだよね？　……大丈夫かなぁ？」
「……多分……」

　あれから結局一度も会ってない唯に、なずなはちょっとだけ不安を覚えるのでした……

　次回に続く

　あとがき
　と言う訳で、部活入部編これで終了となりました　先輩達はゲームＳＨＵＦＦＬＥ、リトルバスターズ、聖霊機ライブレード、ＴＯＨＥＡＲＴ２からでした
　唯の部活動を描いた部分も書こうかと思いましたが、まぁいっか♪って感じです　リクあればちょっとした物は書こうと思います
　でもカレハの扱い、妙にムギっぽかったなぁ……（苦笑）