「じゃあ、友兼さんと野田ちゃんは、ここでロッドを見つけたんですね?」
「おう!ここを通りかかったら、唐突に表れたんでな かなりレア物だと思ったんだよ」
「そうそう!今冷静に考えたら、誰かが転移魔法を失敗させたんだね、アレは……」

 友達・如月の質問に、二人の女の子・友兼要と野田ミキは太陽のような眩しい笑顔で答えてくれます
 二人のその笑顔に、乃莉は「持ち主を捜す気有るのかなぁ……?」とつい失礼な事を感じてしまします

「ここにもいない……」
「あ、あの……空ちゃん……?流石にゴミ箱の中に人は入れないと思うけど……」
「きっと……小人になって……」
「ロッド探してる人がわざわざ小人になる必要無いと思う……」

 頭上に大きな汗をたらして突っ込むなずなに、空は「確かに」と言う表情になります
 とりあえず真剣に探してる物の、その気持ちが完全に空回りしてるっぽい空に、思わず乃莉は溜息をついてしまいます

「あ、あそこの二人に聞いてみようよ!」

 乃莉が指差した方向には二人の女の子 片方はストレートロングの黒髪と無表情な顔が特徴の女の子、片方は同年代ながら大人っぽい印象を受ける女の子 どうやら何かを探してるような雰囲気です
 このまま探してもらちが明かないと思った5人は、その二人の女の子に声をかけることにきめました


  ひだまりメイドラプソディー!! 第四話 体験入学!後半


 
「いや、拾ってくれて助かった……が」
「そうだねぇ、マサ あたしもそう思うよ」

 結局その女の子……大道雅(みやび)が捜していたものであった もう一人の野崎奈三子は、たまたま雅に会い、そのお手伝いをしていたようです

「いきなり見たことの無いロッドがいきなり現れたからって、レアアイテムと勘違いするのは、TH科志望としてはどうかと思うぞ、友兼殿、野田殿」
「そうそう!転移魔法位知識としては常識だろう?」
「「ハイ、スイマセン」」

 雅と奈三子の言葉に友兼及び野田は完璧平謝りですが、雅・奈三子はその二人をからかうような表情だったりします

「これはオシオキだな」
「いいな、マサ!オシオキだ〜!」
「「ヒ、ヒィィィィィィィ!!」」

  その意地の悪い表情が最高潮に達し、二人は最高に良い笑顔(ただし片方はやや無表情)で友兼と野田に襲いかかろうとします

「ま、まぁまぁ、これでいいじゃないですか!友兼さんと野田ちゃんが怯えてますよ!」
「うむ、なずな殿と空殿も多少怯えてるようだし、コレで終わりするべきだな、奈三子殿」
「ま、あたしはマサがいいならそれでいいんだけどさ?」
「「あ、ありがとうございますだ〜!」」

 雅と奈三子の温情に、友兼と野田は本気かどうかわからないお礼を述べて、頭を下げます
 オシオキ組の良い笑顔に、乃莉の後ろに隠れて怯えたなずなと空も安心したような表情になります

「そういえば野崎さんはKN科志望なんですか?大道さんはMC科の様ですけど……」
「ん?あたし? あぁ、そうだよ ここ卒業の姉も同じ所だったからね」

 その微妙な雰囲気を変えるために、如月の問いに奈三子は笑顔で答えます それはさっきまでの意地悪い物ではなく、優しい物に変わっています

「そうだね……無事騎士になれたら、なずなあたりにお仕えして貰えると嬉しいんだけど……どうかな?」
「ふぇ!?わ、私!?」
「そ……どうかな?」
「わ、私は……もう……」
「そっか、残念だね なずながその人に無事お仕え出来るように祈ってるよ」
「なずな殿ならきっとお仕え出来ると思う 私も応援する」
「もちろん俺達もだぜ!な?野田!乃莉!」
「あ、ありがとうございます……」

 奈三子達の笑顔と言葉に、なずなは思わず頭を下げて、お礼を言ってしまいます それだけなずなは奈三子達の言葉が嬉しかったのです

「んじゃ、如月!空!あんた達はどうだい?」
「え!?如月は俺のだ!」
「違うよ、友兼!如月ちゃんはあたしのだよ!」
「いや、違うな……如月殿は私のだ」
「私も如月さんをメイドにしたい……」
「ちょ、空!メイドがメイドに使えられてどーすんのさ!」

 目の前の騒ぎに、なずなはここにいる皆が彩井学園に入学できるといいな……そう思うのでした



「と言う事があったんですよ〜」
「ほうほう、それはそれは……で、皆合格できた訳ですな〜?」
「「はい!」」

 宮子の問いに、なずなと乃莉は笑顔で答えます

「あ、そうだ……大事な事を言い忘れてたね、宮ちゃん?」
「そうだねぇ〜これは重要なことだよ、ゆのっち?」
「「?」」

 とたんに真面目な顔になったゆのと宮子に、なずなと乃莉は思わず首をかしげます

「「なずなちゃん、乃莉ちゃん、彩井学園へようこそ!!」」

 次回に続く

 あとがき
 はい これにて体験入学編は終わりです GA一年がとりあえず集まりましたが、空の親友トリオがまだ影も形も出てませんね(ぉ
 次回はとうとう入学編です 次も楽しみにしてくれれば幸いです

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