「そういえば、なずなちゃんと乃莉ちゃんは体験入学の時に仲良くなったんだよね?」

 夕食も終わり、部屋に戻ると、ゆのは下級生二人に聞いてきます

「はい!あと、如月とかいろんな人とあって……」
「そうですね〜」
「ね、ね、その時の事教えてほしいな〜」
「うんうん!」

 ゆのも宮子も、二人の体験入学の時の事に対して興味津々です

「それじゃあ、僭越ながら私が……そもそも去年の秋!ここ彩井学園の門の前で、その大きさに驚いてるなずなに声をかけたのがすべての始まりです!」
「もう、乃莉ちゃんったら……」

 ノリノリな乃莉に、なずなはちょっとだけ呆れてしまいます
 それと同時になずなは、その日の事を鮮明に思いだしてました


  ひだまりメイドラプソディー!! 第三話 体験入学!前半


「ねえ、どーしたのっ!?」
「ふぇ?」

 突然かけられた声に、なずなは変な声を出してしまいました

「だから、学校を見て、どーしたの?あなたもここを受けるんでしょう?」
「うん……学校案内を見て知ってたけど、ここがこんなに大きいって思わなかったから……」
「あー、そーだよねー あたしも吃驚だよ」

 なずなの言葉に、声をかけた乃莉も納得したように頷きます

「あたし岸根乃莉!ここのKN科を受験するんだ!あなたは?」
「私、美空なずな……」

 これが後にルームメイト兼大親友となる二人の出会いでした


「へぇ……なずなはここのKN科に通う憧れのお兄さんにお仕えしたくてME科に通う事にしたんだ〜」
「う、うん……」
「いいなぁ〜 そー言うはっきりした目標があってさ〜 あたしなんか今の所剣をもっと上手く使いたいってだけだし 如月と空は?」
「私も今のところは特に目的は……二つ上の幼馴染がここのMC科に通ってて、私はME科が一番会うと思ってましたから」
「私も、まだ無い……」

 午前の体験入学が終わり、なずなはそこで仲良くなった眼鏡でポニーテールの女の子山口如月や、やや変化のあるストレートロングでボーっとした女の子梶原空と一緒に、乃莉とお昼にする事にしました
 そこでお互い目的等を語り合い、お互い少し仲良くなった気がしました

「なあなあ!如月如月!ちょっと良いか!?」

 その時如月を呼ぶな二人の女の子が騒がしくやってきました どうやら如月とはお知り合いのようです

「あれ?友兼さんと野田ちゃんじゃないですか!どうしたんですか?」
「?知り合い?」
「ええ、昨日お宿で仲良くなったです 二人ともTH科に行くんですって」
「野田がこのロッドを拾ったんだけど、価値のあるものかなー?」
「「………」」

 友兼の言葉に、なずなと乃莉はちょっとだけ閉口してしまいます その表情は「それ、只の落し物なんじゃあ……」と言う物です 空は急展開について行けず、ボーっとお茶を飲んでます

「あの……それって只の落し物なんじゃあ……」
「「え……」」

 如月もなずなや乃莉と同じ事を思ったのか、ハッキリと言います そうすると、野田と友兼は額に大きな汗をにじませてしまいます

「い、言われてみれば、確かにこれは普通のロッドにも見えるような……」
「う、うん!ただ単にちょっと妙な改造を施してるだけの気が……」

 二人の声が妙にどもってるような気がするのは、つい前まで、二人が拾ったロッドが相当珍しい物だと本気で思っていたからでしょう

「それを落とした人は困ってますね……探して届けてあげないと……」
「そーだね!なずな良い事言う♪」
「もう、乃莉ちゃんったら、なずなちゃんのやることは当たり前の事ですよね?」
「あ、そっか!んじゃ、それ見つけた所に、行ってみますか!」
「おーっ」

 気合を入れて拳を天に突き上げた乃莉は、ようやく急展開に脳が追いついたであろう空ののんびりした声に、思わずずっこけてしまいました

 次回に続く

 あとがき
 とうとう第三話となりましたが、今回はなずなと乃莉の出会いとも言うべき体験入学編ですが、思ったより長くなりそうだったので、今回はコレで終わりです
 ちなみに如月の二つ年上の幼馴染の某人物を魔法使いにしたのは、それっぽいからです 如月の親友で出て無い二人もそれっぽいクラスにします 多分ナミコさんはメイドには出来でしょう メイド服のヒラヒラとか苦手そうだし

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