「隆史、明日から冬休みになるのだけれど」
「ああ、そーだな」

 全国的に二学期が終了する12月22日、学校に着く前に隆史と会ったフィーナは、菜月と麻衣、そして達哉が止めるのも聞かずにこう前置きした

「あなたは冬休み、どう過ごすつもりなの?」
「愚問だな……」

 フィーナの言葉に「待ってました」と言わんばかりの表情になる隆史
 フィーナと一緒にいた三人は「やれやれ……」とちょっとあきれ顔になっている

「早苗さんと毎日イチャつくにきまってんだろぉ―――――!!!」
「「「やっぱりそのつもりだったのかぁ―――――!!!」

 隆史の言葉に三人のツッコミが激しく入る ……その直後だった

「隆史 あなたがそのつもりだったら、私も達哉とガンガンいちゃつかせてもらうわ」
「「「Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)ブルータスよ!お前もか―――――!!!つーかどっちも宿題とか仕事とかしなくていいの―――――?」」」

 ライバル意識全開のフィーナと隆史に、三人のツッコミはむなしく響いていた……


   お姫様の暴走学園生活 クリスマス 終業式編


 「しかし今日の校長の話……予想通りと言うか何と言うか、吉野家先生に対する怒りが半分を超えてたな」

 終業式も終わり、教室に戻ると、隆史はボヤきながら自分の席に着いた
 その時の校長の話の半分は、何と直前に終業式で変な格好をしようとした美術教師・吉野家に対する物だった
 もちろんハッキリ吉野家と明言した訳では無いが、話の内容を聞くだけで大半の生徒はハッキリ吉野家に対する怒りと分かってしまっていた

「ともかく明日から冬休みか 補習で学校に行く人は可愛そうねぇ……」

 フィーナの言葉に、みさおが「うっ!」と言わんばかりに胸を抑える

「日下部、フィーナは別にお前の話をして無い そりゃお前も補習だけどさ」
「わかってるよぉ 竹田の話をしてるんだろぉ? でも当の本人はなんかサボる気になってるみたいだぞ」
「まさか」

 みさおの言葉に隆史は竹田の方を向く
 その竹田は普段と変わらず、補習に対する気落ちを微塵も感じさせなかった

「……あいつ、進級できると良いんだが」
「無理でしょう?」
「無理だな」
「無理だ!」

 隆史の心配そうな声に、フィーナ・達哉・みさおは声を揃えて反論の言葉を上げてしまう

「竹田」
「ん?なんだよ、田中!」
「成績表、見せろや」

 ホレ、と手を出すと、竹田は素直に成績表を隆史に手渡す
 その中身は大半の教科が1となっていた ちなみに最高の数字は5に設定されてます

「……竹田 コレヤバいだろ」

 言いつつ、隆史は竹田に自分の成績表を手渡す
 竹田の目に映ったのは、全ての教科が3もしくは2に埋め尽くされていた

「日下部だって1は期末で補習を取った二つの教科だけだぞ お前、マジでヤバいって」
「どどど、どーしよぉ……」
「まぁ、後の祭りにならないよう、ナンパなんかしてないでしっかり補習には出るんだな」

 隆史の優しい言葉に、竹田は素直に頷くのであった
 それを見ていたクラスメイト達は、良い人すぎる隆史の態度に、ちょっとだけ呆れると同時に尊敬をするのであった

 おまけ
隆史「そーいや、達哉とフィーナはどうだった?」
フィーナ「生物が2以外は全部4と5よ」
達哉「月学利論が5、数学と科学が4で他は全部3だった」
隆史「……マジかよ……」
達哉・フィーナ「マジです」
隆史「柊も峰岸も全部4以上みたいだからな 泉もなんだかんだで低くないし……俺ももうちょっと効率よく勉強するべきだなぁ……」

 終わり
 はいはい 久しぶりにクロスSSをアップさせてもらいました 今回からちょっと長い冬休み編です
 冬休みはまずクリスマスから始まり、年末年始、補習、部活、バイトとなる予定です 結構長くなりますね

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