「しっかし、マジで寒くなりやがったな」
「なんだかんだでもう少しでクリスマスだしな」
「こんな日にテストなんてやる気出ねぇよ」
「……根岸の場合、夏でも熱くなるからやる気でないとか言うんだろ?」
「……分かってんじゃねぇか」
「透夜も根岸も何言ってんだ?」

 テスト初日終了時、準備期間に道場を使った三人のうち透夜と根岸はまさに精根尽き果てたと言わんばかりの状況になっている
 残り一人の悠人は「心頭滅却すれば火もまた涼し」と言わんばかりにケロリとした表情になっている

「しかし悠人……お前、平気なのか?」
「一応言っとくが、去年の進学試験の時はもっと寒かったろ?」
「そりゃそーだけどさー 高嶺の神経どっか麻痺してんじゃねーの?」
「茶道部なめるな」
「そりゃお前、確かに茶道部だけど……夕月(ゆづき)先輩に飛羽(ひば)先輩だっけ?あの二人が茶道で活躍してる印象が……」
「須尭先輩と一緒にするな ……悲しいことに悪い意味でだけど でも部長も副部長もやる時は結構マジにやってんだぞ そりゃ確かに一番真面目にやってんのは桜井先輩だけどさ」
「悠人、隠す内容じゃないのかも知れんが、それ思いっきりばらしていいのか?」

 根岸に突っ込まれて所属部の内容を思いっきりカミングアウトしまくる悠人であった(笑)

 
  お姫様の暴走学園生活 期末テスト 本番一年生サイド


「そりゃお前ら、確かに茶道は精神修養にいいかも知れんが、何もテスト期間にやる必要ないだろ?」
「テスト勉強の方が……大事じゃないか……?」
「そー言う部長達もなんで茶室にいるんですか?まぁお二人の事だからテストはあんまり心配ないでしょうが」

 結局透夜と根岸は悠人にお茶を入れてもらってからテスト勉強をしよう、と言う話になり、悠人もしぶしぶそれを了承した
 それで茶道部室とも言うべき茶室に行ってみたら、茶道部の部長・夕月瑠璃子と副部長・飛羽愛歌(まなか)の二人がいたと言う事だ

「あたしらは部室の整理さ 冬休みになるとあまり使わないからね こー言うのは気になると集中できないだろ?愛歌には悪いが付き合ってもらったんだ」
「……部長は部屋の掃除でテストに失敗するタイプなんですね……」
「うっさい!来た以上はお前らにも付き合ってもらうぞ!」
「「え――――」」
「不平を言うなら高嶺の茶を飲むな!冷蔵庫の茶をやるからとっとと帰れ!」
「「は――――い」」

 結局透夜と根岸はなし崩し的に茶室の掃除の手伝いをする羽目になったと言う……

「かぁ――――!やっぱり高嶺の淹れた茶は旨い!」
「部長、酒を飲むオッサンみたいな表現止めてください」
「良いじゃないか!ホレホレ、良いではないか良いではないか〜」
「今度はお殿様っすか……」
「瑠璃子、悪ノリが過ぎるぞ……」

 茶道部三人の漫才とも取れる会話に、透夜と根岸は困惑しきりっぱなしである
 お茶は美味しいが、まさかこんな展開になるとは、と言わんばかりの表情である

「そーいやお前らはこれからテスト勉強だっけ」
「あ、はい、そーっすけど」
「じゃあ愛歌、三人にちょっと教えてやんな」
「任せろ」
「「え……?」」

 話の急展開に、透夜と根岸はついて行けない 少し思考が戻った時に、愛歌の姿を少し凝視してしまう
 相方ともいうべき瑠璃子は確かに勉強はあまり出来そうもないが、愛歌は……一目見ればあからさまに「貞子」である そんな彼女が勉強出来るのかどうか……それ以前に茶道も出来るのか微妙すぎる外見であった もちろん茶道に関しては夕月もだが

「副部長は結構勉強出来るぞ 教え方も茶道部で一番上手いし ……まぁ茶道部っつってもオレと部長達以外は三人しかいないけどな」
「その上お前の場合年上の彼女に教えてもらった方がうれしいし……だろ?」
「良く分かってるじゃないっすか」

 悠人達の態度に、透夜と根岸の気持ちは固まった 三人であれだコレだと悩むよりはここで勉強した方がいい、と思う事にした

「それで明日はどの教科だ?私がみっちりしごいてあげよう」

 ふっふっふっ……と笑いを上げながら透夜と根岸に近づいていく愛歌 完全にホラーである
 透夜と根岸は貞子ヘアーの中から見える目がキラ――ンと光ったように見えてしまっていた
 数時間後、愛歌のスパルタ教育でブッ倒れた透夜と根岸を引っ張っていく悠人の姿をたくさんの生徒が目撃していたとさ……

 次回に続く

 あとがき
 なんか今回は作者グラーフが一番グダグダだ……(笑)こんな展開テスト前でも十分できるだろ……ってツッコミが絶対出てくるよ……(笑)
 まぁアマガミキャラを出せたのが一番の成果ですね まさか攻略出来るヒロインじゃなくてサブの先輩二人が最初だとは思いませんでしたが
 ともかく後は結果編です どーなることやら……(笑)

inserted by FC2 system