テスト期間が終了した次の月曜……教室内は一部を除いて緊張の空気が流れる
 言わずもがなそのテストが返却されるからである
 結果に自信がある者や、テストそのものをどうでもいいと思ってるものならともかく、補修ギリギリの人間はやはり緊張が出てくると言うものである

「しっかしまぁ、少なくともうちのクラスで竹田より下の奴はいないわな」
「そうそう!あやのやフィーナに勉強教えてもらったあたしらと勉強してない奴じゃねぇ!」
「こらこら、だからって補習にならない理由になんないんだからな」

 緊張を誤魔化しているのか、バカ騒ぎしている隆史とみさおに雨情が思わず突っ込みを入れてしまう

「それで雨情さんや 最初の桜庭先生の生物の補修ラインはどの程度と読んでますかな?」
「そうだな……何だかんだで厳しいからな……おそらく45ってところだろう」
「うわ、自信ねぇー」

 隆史やみさおの態度に色々言いたい顔をする物の、とりあえず何も言わずに会話に参加する

「俺は少々違う考えだ」
「?じゃあ朝霧はどー考えてんだよ!」
「そりゃお前……地球生まれじゃないフィーナよりも10点以上下の連中とかに決まってんだろ?月と地球じゃあ生体が違い過ぎてんだから」
「うーわ、そっちは確実に自信無いな……でも桜庭先生だしなー」

 唐突にあらわれた達哉の一言に、周りの人間の雰囲気が悲壮感に包まれてしまう
 その時、チャイムが鳴ってそれと同時に桜庭が入ってくる

「お前ら〜テストを返すぞ〜」

   お姫様の暴走学園生活 テスト編 結果二年生SIDE

「さて、お前達も分かってると思うが、このカテリナ学園は補修が厳しい」

 テストを返す前に、桜庭はそう前置きする
 その言葉に一部生徒は「うんうん」とうなずく
 そう、このカテリナ学園は補修が厳しく、一定の点数を取らないと二週間は放課後居残りをさせられて勉強をさせられるのである
 しかも普段は休日である土曜日曜ですら拘束されるのである
 それだけで済むならまだいいだろう……中間テストで補修を受けた者で学期末テストも補修を受けた者は夏休みや冬休みをすべて勉強漬けにさせられるのである
 勿論一教科や二教科だけなら拘束される日数も少なくて済むのだが

「それともう一つ この学年は地球の生態系に詳しくないフィーナ姫がいる……その意味は前のテストにも言ったからわかるな?」

 その言葉にこのクラスのフィーナ以外の人間がうなずく
 その態度に満足した桜庭はさらに続ける

「つまり私の教科の補修ラインはフィーナ姫の点数より一点でも劣っていたものとする」

 その厳しい通達に生徒達はどよめく
 まさかここまで厳しいラインだとは思わなかったのである
 月の姫として名高いフィーナだが、その名に恥じないためにそれなりに優等生であり、最も相性の悪い勉強とも言える生物ですらそれなりの結果を出しているからである
 ちなみにフィーナを生物の補修の対象にしないのは言うまでも無く、地球とは生態系の違う月の生まれだからである 他の教科の点数が悪いと容赦なく補修を受けることになる

「さて、テストを返すわけだが、まずフィーナ姫 アンタは55点だ」

 その言葉に一部生徒から安堵の溜息をつく 思ったより悪かったからである 最悪70点や80点を覚悟していたからである

「さて、これからは悪い順から行かせてもらう……竹田、お前は5点だ!お前はこれから二週間じゃなく二か月は補修だ!」
「え〜〜〜冗談きついですよぉ、これだとナンパも出来ないし……」
「これから一年は昼休みも補修にされたいか?」
「……すみません……」

 竹田に対する厳しい罰に、クラス一同同情を禁じ得なかった その結果となる理由が例え、テスト前にナンパをしまくっていたからとは言え……


「さて、雨情に隆史にフィーナ、今さらだが、どうだった?」

 この日午前の授業が終り、昼食がてら達哉が近くにいた雨情たちに聞いてみる

「生物87に数学76……古文は85で科学は89だ」
「私は数学が85で古文は56で科学は77よ 得意科目と苦手科目の差が思ったより酷いわ……私もまだまだね」
「俺は数学50に古文53、そして科学は49だ 思ったよりは悪くなかったな 補習を覚悟した生物がまさかフィーナと同じ点数になるとは思わなかったけど んで、達哉と日下部は?」
「俺?生物77、数学76、古文82、科学83だ 数学は途中の計算式で間違えた所が多かったー」
「あたしは生物が補修だ〜 とりあえずフィーナと一点差だから手加減してくれるみたいだけどさ〜」
「まぁまぁ、私もみさちゃんが判らない所は教えてあげるから それに他の3つは補修じゃないんでしょ?よかったじゃない」

 涙目にならが結果を言うみさおに、あやのが慰める その表情からだと結果はそれなりに良かったようだ

「そーいやあいつ、いつまで放心してるんだ?」
「竹田の奴、未だに放心してやがるのか」

 達哉の言葉に今さらながらに隆史は自分の席で放心している竹田に気づく

「あいつ今日の四つはもう最悪だったからな 確かクラス最下位だっけ?まぁ自業自得なんだけどさ」
「ま、確かにね 準備期間だけじゃなくて本番になってもナンパばっかやってりゃあ……ねぇ……」
「とりあえず昼飯でも奢ってやるか」

 隆史はクラスメイトの態度にやれやれと言わんばかりの表情で購買に向かう事になった


 おまけ

かがみ「おーす結果どうだった?」
こなた「おぉぉ!みゆき様だけじゃなくかがみ様も現れ申したぁ!」
かがみ「かがみ様って、お前、最悪だったの?」
つかさ「ううん、こなちゃんは思ったより点数が良くて補習を受けなくてよかったんだって」
かがみ「へぇ、そりゃよかったじゃない で、つかさはどーだったの?」
つかさ「私もそんなに酷くなかったよ〜♪ こなちゃんじゃないけど、お姉ちゃんとゆきちゃんのお陰だね」
みゆき「そんな……泉さんとつかささんが頑張ったからですよ」
こなた「いやいや、そんなことありませんよみゆき様……この下賤な私たちに昼食をおごらせてはくださらぬか?」
かがみ「何故古風な言い方するのか解らんが、おごってくれるなら喜んでおごらされるわ」
みゆき「泉さん、ありがとうございます」

 おわれ

 あとがき
 ハイとうとうテスト結果編です なんつーか普通な展開ですが、何とか主人公フィーナと言う展開だけは保てました(苦笑)
 テストの結果はある程度原作重視に出来たつもりですが……こなたは一つや二つ赤点取らすべきだったかなぁ……?

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