学園祭が終わるとすぐさまカテリナ学園の雰囲気は一気にテストモードに入る
 無論一部では学園祭モードが抜け切れてない人間も少なくないが、それはごく限られた人間である

「達哉 ちょっといいか」
「どうした隆史 改まって」

 この日のすべての授業が終り、これから帰って勉強したり気分転換に遊びに行くなど生徒によって様々な行動に出ていって行く中、隆史は親友の達哉に素早く歩み寄る

「さっきの月学理論のノート、貸してくれねーか?」
「いいけど……何故俺のノート?月学理論なら俺のよりフィーナの方が……」
「オメ……この前のテストで月学理論は学年一位をとっとといてそれはねーだろ それに……」
「?それに?」
「そのフィーナなら隣の菜月と一緒にさっきから寝てるんだけど」
「ちょ、フィーナ!?」
「フィーナめ……地元人間だからって余裕ぶっこいやがるな……」
「いや柊 女の子がぶっこくとかそーいう事言わないの つか妹の所に行ってたんじゃなかったのかよ!」

 いつの間にかかがみが隆史の隣に現われて「くー」と言う可愛らしい寝息をたてるフィーナに対する素直な感想を述べていました(なぜか敬語)


  お姫様の暴走学園生活 テスト編 二年生準備変


「つーわけで、地元人間だからって安心しきって思いっきり爆睡している人間と、月学理論は大学受験とは一切関係無いからって思いっきり爆睡している人間の為に勉強会を開こうと思います」

 その日の放課後、隆史は達哉の家でテスト勉強しようと言いだしたのだ だったら自分の家でやれと言われそうだが、彼が現在住んでいるところはワンルームの小さな部屋 そう何人も入れないだろう
 ちなみに隆史が読んだのはこの達哉の家に住んでいる達哉・フィーナの二人とその隣に住んでいる高見沢菜月と三人の中等部からの親友の坂上葉月 その葉月にベタ惚れな佐藤裕仁 そして親友であるはずのかがみに捨てられた(?)日下部みさおと峰岸あやのの6人である
 他にも何人か誘ったのだが、やれ本業が忙しいとか、やれ1人でやった方が楽だとか、やれ他のバカの面倒をみるとか、やれナンパに忙しいと言う理由で断れたのだ

「な、なにがつーわけよ〜 そりゃテストの前なのに寝てたのはマズいけどさ」
「菜月、今回の事は流石に言い訳ができないわ」
「と言うより菜月……お前、この前も寝てたじゃないか……」
「葉月 普段寝てるお前が何故分かる」
「田中!葉月さんに対する侮辱は許さんぞ!」
「佐藤お前は五月蠅いってヴァ!」
「……なんか……勉強を始める前からもうグダグダね」
「雨情の奴、1人でやった方が楽とか言ったのはこれから逃げる為だったな」

 はた目からもカオスと分かる雰囲気に、思わず達哉とあやのはため息をついてしまう

「皆様、お茶の用意が出来ましたよ〜」

 そんなカオスの雰囲気を読んだのか読まなかったのか……フィーナ付きのメイドさん・ミアがお茶とお菓子を持って現れた


 
「まぁともかくだ……分からん所があるなら峰岸に聞くのが一番いいと言う事で」
「ええ、出来るだけやってみるわ」

 隆史の言葉にうなずくあやのの笑顔に、カオスなオーラはあっさり四散した この場にいる7人がテスト勉強をしようという表情に一変する
 しかし……

「うがぁ〜〜〜〜〜〜〜!あたしの嫁は宇宙一ィィィィィィィィィィィィィ!」
「うぉ!何か知らないけど日下部が壊れたぁ!」
「というより日下部の嫁って誰なんじゃ!というか日下部は女じゃろ!」
「多分柊のことだ この前2組の泉って奴と柊を巡ってケンカしてた 女とか男とかはこの際スルーした方がいいぞ佐藤」
「みさおさん」

 一時間と経たずにみさおが叫び、再びカオスな雰囲気に突入しようとするなか、フィーナが立ち上がってみさおに振り向く
 良かった……フィーナならばきっとみさおの暴走を止めてくれる……皆そう思った
 だが、その期待は最悪な結果で裏切られてしまう

「宇宙一なのは私の婚約者である朝霧達哉よ 当り前のことを言わせないで」
「いや 宇宙一と言ってくれるのは嬉しいけど、日下部のダメオーラに当てられた状態で言われても妙に嬉しくないと言うか何と言うか微妙な気持ちなのですよ」
「とりあえずおめでとうと言っておくわ」
「ありがとう菜月」

 ああ……フィーナがいい感じで壊れてる……そう言いたげな達哉が菜月に慰められている間もカオスは進行中である そしてそれから精神的な物だけでも逃避させようとした達哉だが、それは出来ないと言う事を理解させられる

「で、どーするよ フィーナもそうだが、日下部も殴る訳にはいかんだろコレは」
「相手が兄さんなら思いっきり行けるんだけどねぇ……」
「仁さんならねぇ 何度殴っても懲りないけど」
「そうそう ってそんなこと言ってる場合じゃなかったね」

 そんな中、フィーナとみさおの雰囲気が完全に険悪な物になる しかしその時……

「みさちゃん、柊ちゃんとフィーナさんばっかり構って……私の事はどうでもいいのね?」
「って峰岸?」

 はたしてそれは小さな声ではあった しかしその部屋の隅まで聞こえる声でもあった
 あやのの言葉にその場にいる人間は当然のことながら驚きを隠せない それはみさおが一番であった

「あ、あやの!あたしはさぁ!」

 何とか親友をなだめようとするみさおだが、何を言ってもあやのは聞く耳を持たない それどころか「うっうっ」とさらに涙を募らせる

「……どーでもいーけどさぁ あれって嘘泣きだよな」
「それよりワシらは勉強をしてたんじゃ……」

 完全に蚊帳の外に追い出された隆史と佐藤は、溜息を付く以外何も出来ないでいた そんなこんなで一日が無駄に終わって行くのであった

 終わり

 おまけ

かがみ「ほらつかさもこなたも!分からない所があったら私とみゆきが教えてあげるから!キリキリ勉強する!」
つかさ「はい〜〜〜」
こなた「ええぇぇえぇえええ〜〜〜〜〜〜 私は一夜漬けするから大丈夫だよ〜」
かがみ「こなた あんた……」
みゆき「泉さん……」(妙なオーラが出てくる)
こなた「はい わかりました しっかりきっかり勉強します」
つかさ「どんだけぇ〜」
かがみ「こなた あんた……弱いわよ 気持ちはわかるけど」

 意味ないまま終わり

 あとがき
 はい テスト編始まり始まりです 始まりから妙にグダグダですが、もうこの路線を突っぱねて見ようと思います
 しかしあやのの扱いが妙に違うような気がするんだが気のせいか?

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